2013年7月3日水曜日

熱田神宮の刀剣鍛錬

三種の神器の一「草薙剣」をご神体とする熱田神宮で、
今年は7月6,7,8日の三日間、毎年恒例の刀剣公開鍛錬が開催されます。

2008年の写真があるので、ご紹介致します。


今年、平成25年は熱田神宮の鎮座1900年にあたるそうです。
2008年はその5年前ですから、鎮座1895年だったのですね。

日曜日には、一般の人も鎚を振るうことができるということで
参加して参りました。
若手の刀鍛冶さんもたくさんお手伝いです。

この日おられた刀匠さんは、福島県の藤安将平さんです。

一般の方は、まず、鎚の振るい方を若い刀鍛冶さんから教わります。
これが幕の外におかれた練習用の鎚です。
目標にめがけて鎚を振るえるようになれば大丈夫です。

一般の方はこのような法被を着て行います。

女性も大丈夫。
大勢の方が並んでらっしゃいます。
炭火は鞴を使っておこしています。

さて、外では、奉納刀剣の仕上げが行われていました。
こちらは、岐阜の丹波兼信刀匠です。

「三鈷柄刀」という、
我々の連想する日本刀とは少々形状が違う刀です。

刀身をバイスに挟んで、「セン」という刃物を使って側面を削っています。

平らな面はこの木型を使うそうです。

両側に持ち手のついた刃物が「セン」です。

表面をセンで削る様子。
「センすき」と言います。

刀剣の材料の玉鋼は、見た目よりずっしり重く驚きます。

丹波さんがかぶっていた手ぬぐいの文言が素晴らしく、
写真を撮らせていただきました。

さて、一般参加の鍛錬が終わっても、
刀匠さん達の仕事はまだ続きます。

次は、「鍛冶押し」と言って、
刀匠さん自らが粗めの砥石を使って刀身を研ぐ作業です。
この時の砥石は金剛砥石です。

砥石を独特の形の踏み木を足で押さえて研ぎます。

踏み木は朴の木で作られていて、こんな形です。

次は土置き作業です。
刀の刃紋を作る重要な作業で、粘土と炭粉を独自に配合して作ります。

今回はこの2本に土を置きます。

篦も全て自作です。

まずは土を全面に塗ってから


細かい模様をつけます。
この刃紋が流派の判定要素にもなります。




さて、まだまだ終わりません。
日が落ちる7時過ぎ、また皆が集まります。

重要な焼き入れ作業は明るいうちにはできません。
刀の熱せられた色で温度を判断するからです。

手前の木桶には焼き入れに使う水が入っています。
 火を起こして

電気を消します。
すると、刀の熱せられた色がよくわかるのです。

微妙な色の変化を見逃さないよう、まさに「真剣」そのもの。
鞴と炭の燃える音だけが聞こえます。

刀の色が適温になったその瞬間に、一気に水桶の水に刀を浸します。
勢いよく水蒸気が上がります。

これで焼き入れ終了・・・と思ったら、
あれ、また火に入れましたよ。

これを、「アイ取り」と言って、低温での焼き戻しをし、
焼き入れでのゆがみを直すのだそうです。

今回の刀です。

荒研ぎをして、焼き入れの状態を見ます。

若い皆さんも真剣に見入っています。

荒研ぎの終わった様子。暗くてぶれててすみません。
ここでやっと今日の作業が終了です。
荒研ぎの終わった刀は、研ぎ師さんに渡って仕上げ研ぎがされます。
熱田神宮では、今年は8月18日に研ぎ作業の一般公開が行われるそうです。

日本刀の鍛錬について、わかりやすく説明されている資料がありました。

今日一日お疲れ様でした!

0 件のコメント:

コメントを投稿