2013年6月30日日曜日

作りすぎない良さ

家の近くに観光地があっても、いつでも行けるからいいだろうと
なかなか行かないものですよね。
観光旅行となれば短期間でできるだけたくさん見ようと努力しますが。

ロンドンに住んでいた頃の2000年3月、一体どこかからだったか、
コベント・ガーデンにある"キャバレー・メカニカル・シアター"が
閉館するということを知りました。

"Cabaret Mechanical Theatre"はからくり人形(オートマタ)の
展示施設として1985年からコベントガーデンにあったのです。
なんと知ったのは閉館の前日。
コベント・ガーデンなんかいつでも行けるし、
かと言って入場料が当時で£5(£1が240円くらいの時代です)だと、
前まで行っても、またの機会にしようかな、というわけで、
実は1度も入ったことがありませんでした。
そりゃもう翌日どうしたって行きます。

あまりに慌てていたので、入り口正面の写真を撮るのも忘れていました。

チケット売り場はこの日はさすがに大混雑でした。
「閉館するのは残念ですね」と話しかけると、
「なんで閉館する前にもっと来てくれなかったの」と言われてしまいました。
全くその通りです。

さて、中に入ると、とにかく所狭しとオートマタが置かれていました。


有名な「スパゲッティを食べる人」
風呂の蛇口からスパゲッティとソースが流れています。
どれだけスパゲッティ好きやねん!?(笑)

現在、Cabaret Mechanical Theatreのサイトで動画が見られます。

Cabaret Mechanical Theatreのキャラクターになっている猫です。
右手にハンドルがついていて回します。
う〜ん、動かないと良さがわからないですね。

よく登場するエジプトの謎の動物。

腹筋運動をします。

縄跳びをする人。

ロバとニンジン。

フラミンゴ
しかし、こんな小さい翼で飛べるのでしょうか?


ちょっと社会風刺も入っていたりします。

オートマタが所狭しと並んでいます。
一つ一つは小さいのです。

後ろの男性の目、真剣です。

最後のショップでビデオを購入しました。

ここのオートマタは日本で展示されたこともあるのですが、
現在はバラバラの場所での常設展示と、
短期巡回展があるだけです。
自分も行こう行こうと思って結局閉館日に行っただけで、
なかなか一カ所で続けるというのも大変だと思います。

さて、何が「工藝素材」と関係しているのか?と言えば、
日本人ならきっと、こういうからくりを作るとなったら、
本物そっくり、精巧に作ってしまうのだろうなと思ったわけです。

しかし、イギリス人は木や紙の素材感を残すことで
「機械」という冷たい感じを極力減らし、
ユーモラスに仕上げているんだなと。

イギリス人はMorrisのように、
木のフレームをわざわざ見せるような車を作ったくらいですから、
木が大好きなんだと思うのです。


そして、こういう素材の素朴な「味」的なものを残すのも
イギリス人はうまいなといつも感心するわけです。



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