2013年6月20日木曜日

伝統の革靴

イギリスに靴の木型を作る仕事をしていた、当時40代後半の友人がいました。
この仕事が嫌になったので、学校に入り直し、今は別の仕事をしています。
在学中の土曜に職場からどうしてもと頼まれていた仕事を続けていた時、
せっかくだから1度見学しに来たら?と誘われて見に行きました。

お店の名前は伏せさせて頂きますが、19世紀から続く名店です。

作業工房は地下にありました。

入ってまず驚いたのは、その木型の数です。
これまでのすべてのお客さんの木型が保管されているそうです。

木型のうちでも特別なものが別にディスプレイされていました。
上の写真のうちのどれかがヴィクトリア女王の足型だそうです。

驚く程狭いスペースに、いくつもの作業台が置かれていました。
土曜日なので他に職人さんがいませんでしたが、
この机すべてに人がいたら、かなり窮屈だろうと思いました。





友人は当時、足が変形した人用の特殊な木型作りがうまく、
お店からどうしても、ということで週末だけ通って作っていたのです。

足が変形した人は市販の靴が履けないため、
こういったお店に特注せねばならないのですが、
普通の人でも、このお店では個人個人の木型を作るところからはじめます。
なので、一足の靴の値段が当時でも最低10数万円台からでした。

革靴の構造の見本です。

断面はこんな感じなのですね。
ちなみに、イギリスの革靴は底もすべて革製です。

ハイヒールやピンヒール用の木型は
つま先だった状態で作るのですね。

棚には革靴作りで使う道具類も展示されていました。



説明を読む暇もなくとにかく写真だけ撮りました。

木型はこのように、ヤスリで削って形を少しづつ調整して行くそうです。

ゆっくりと一つ一つを見たかったのですが、
土曜しか仕事をする時間がない友人はここで、
「じゃあ、仕事するから。」って、
見学はここまでとなってしまいました。

もう1度しっかり見たいとなれば、
このお店に靴を注文せねばなりません。

0 件のコメント:

コメントを投稿