2013年9月25日水曜日

極薄の世界

日曜日に、竹中大工道具館主催の講演会に行って参りました。
9月29日(日)まで開催の、「鉋鍛冶 碓氷健吾の仕事」展
http://www.dougukan.jp/contents/249_jp.html
に関連し、
碓氷さんからいろいろ学ばれたという刃物鍛冶の船津祐司氏の講演の後、
「削ろう会」
の会長で、長野県にある上松(あげまつ)技術専門校
の講師、上條勝さんが、碓氷氏の鍛えられた鉋を使っての削り実演をされ、
聴講者の中の希望者も薄削りの体験を行いました。
講演会は希望者が多数だったそうで、
午前の部、午後の部の2回も行われました。

「削ろう会」は、
「極限まで薄い鉋屑を出すことを中心に、手道具や伝統技術の可能性を追求する会」
ということで、削り実演では、樹齢300年の木曽檜を削っておられました。
薄削りは鉋刃、台、鉋刃の研ぎ方、鉋の調整、削りの技術、
そして削る木も重要になります。

講演開始前から鉋の調整をされておられました。

講演終了後の実演の前、さらに鉋の調整です。
空調の効いた部屋にしばらく置くだけで狂いが来るほど微妙です。



鉋刃が透けて見える程の薄さで、材の長さを均一に削っています。


碓氷さんが打たれた鉋を次々と使われて、削る時の音の違いを聞かせてくださいます。




台が平らなのはもちろん、台の刃口と刃の間が狭く作られています。
碓氷さんの鉋で薄い削り、語呂も良いです。

この鉋屑がどれだけ薄いかと言うと、
手で触ると、まるで極薄のストッキングを触っているような感じです。

左が今回の削り屑、右は普通の仕上げ鉋がけの削り屑。
右側でも十分薄いのですが。

さらに比較対象として、一番左に漆濾し用の吉野紙を置いてみました。
吉野紙と変わらないくらいの薄さです。

実際問題として、ここまで薄く削るという作業は現場では発生しないそうですが、
電動でない木工具の使用頻度が減少している現代では
人気があるのも納得します。

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