2013年9月16日月曜日

甘粛省の泥人形

中国で言う「非物質文化財」というのは、
日本の「無形文化財」とはちょっと違うかもしれません。

伝統芸能やお祭り、民謡、地域の風習だけでなく、
少数民族も多い中国では民間工芸も「非物質文化財」として
国、省、市などによって指定されているようです。
甘粛省の泥人形もそのひとつのようです。
こんなグループの立体だけでなく、


百面相まで。かなりのクオリティです。

実は1989年に訪問した北京の中国博物館で、
たまたま少数民族の工芸の展覧会が開催されており。
その時に展示されていた泥人形や刺繍が大変面白く、
いくつか買って帰っていました。
当時はそれらが広い中国のどこの物なのか全く関心もなかったのですが、
今回の蘭州で同じようなものが展示されていたため、
古い写真を調べてみたら、確かに「甘粛省」「蘭州」の文字がありました。
何十年ぶりかに身元発見!という感じでちょっと情けないですね。

 当時の展示の写真です。

作者はもちろん違うでしょうが、
こちらの方が素朴なつくりです。

「清真」の文字があり、店主のかぶっているのは
回族の帽子ですね。

「甘粛省民間民俗美術展覧」の文字が見られます。
回族のおじさんが売っているのは
ハミ瓜でなくスイカに見えますが。

これもスイカ売りのお兄さん。

お爺さん2人。

タバコをふかす物売りのお兄ちゃん。
人民帽をかぶる人も今ではほとんどいません。

子供とお爺さんでしょうか?

子供

そして、こちらが私が購入して持ち帰った、素焼きされた泥人形です。
どうして同じ形の人形を2体も買っていたのか、今となっては謎です。

焼きもので人形のような立体を作る場合、
全体がみっちり粘土でできていると
焼成の際にヒビが入ったり破裂したりするため、
中には空洞を作るのが基本です。
陶俑なども中は空洞か、底を塞がないで作られていますが
この人形は全くのムクで空気穴もなく、持つとずっしりと重いです。


秘密は背中を見てわかりました。
写真で向かって左側の背中の一部が割れていて、
中から白いものが見えています。
これがどうも緩衝材の役割を果たす素材のようです。
素朴な民間工芸品のように見えて、
実は中はハイテク(?)が詰まっているのかも。
この素材は一体何なのか、今後調べてみたいと思っています。

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