職人さんが行く道具屋さんというのはなかなか
初心者には近寄りがたい場所ですよね。
「○○ありますか?」
「ありません。」
「もう作ってないのですか?」
「わかりません。」
というようなそっけない応答をすることで有名なS屋はもちろん、
大学生の頃、ここの切出しがなかなか良いという話を聞いて訪れたS刃物店。
「ごめん下さい」と店に入り、店主が出て来たところで
「すみません、切出しが欲しいのですが」
と言ったら、
「うちのは高いよ。」
と言ったきり、奥に引っ込まれてしまった経験などから
(見た目が貧乏そうに見えたのか)
道具店が普通の人に門戸を閉ざしてしまっているのも
興味のある人から日本の伝統文化を取り上げてしまっているようで
勿体ないんじゃないかなと思っていました。
興味のある人から日本の伝統文化を取り上げてしまっているようで
勿体ないんじゃないかなと思っていました。
しかし、そうではない道具屋さんも世の中には存在します。
墨田区にある、井上刃物店さんはその一件です。
(都営新宿線菊川駅から徒歩5分くらい)
大通りに面してはいますが、看板も何もありません。
しかし、周囲のビルディングの中でひときわ目立つ古い日本家屋です。
(後ろに見えるのは首都高速です)
通りから見える入り口の右手にはこのような研ぎ台が置かれています。
ご主人の井上さんは、ご自身も「手考会」という木工の会に参加されており、
道具を売るだけでなく、作り手側の立場も理解して、
初歩的な質問にも親切に答えて下さいます。
都内でも決して便利とは言えない場所にありながら、
若いお客さんや女性も来られて、長居をされています。
店構えからも想像がつくように、店内もお宝の山です。
その井上刃物店さんにはオリジナル商品があります
これは、コーヒー豆を挽いた粉を計量するスプーンですが、
スプーンそのものではなく、これを作るための独特の形状に
井上さんご夫妻はコーヒーが大好きで、
常連のお客さんが奥さんの誕生日にコーヒーの粉の計量をするスプーンをあげようと、
刃物を特注しスプーンを作ってプレゼントされたのだそうです。
刃物を特注しスプーンを作ってプレゼントされたのだそうです。
このスプーンが大変使いやすく、
さすが木工道具の店、スプーンを買いたいというのでなく、
さすが木工道具の店、スプーンを買いたいというのでなく、
自分も作りたいという人が何人も出てきたため、
この刃物を追加注文したところ大人気商品になった、
というような話だったと記憶しています。
(細かい部分が違っていたらすみません)
そして、お店にはお客さんが作られたスプーンの製作工程を
写真入りでわかりやすく説明したファイルまであり、
写真入りでわかりやすく説明したファイルまであり、
お願いすれば誰でも見ることができます。
(※奥様の許可を得て撮影しましたが、全部をご覧になりたい方は店頭で)
井上さんご夫妻がお客さんにとても愛されているということもよくわかります。
お話もとても面白く、いろいろ丁寧に教えて下さるので、
まずは電話をして、井上さんがお店におられる時間を確認の上、
時間の余裕を持って行かれると良いと思います。
もちろん、欲しいものがどんどん出て来ますから、
お財布の中身の準備もお忘れなく!
井上刃物店
墨田区立川3-17-8 電話03-3631- 4268
都営新宿線菊川駅のA3出口を出て、右二つ目の信号の反対側
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