中国の話題はまだまだいろいろありますが、
研究代表者が私でないため、ここに書けない内容も多々ありますので、
あとはぼちぼちということで。
さて、数日前に金鋸刃の利用方法の話題を書きましたが、それに関連して。
芸大受験のための美術予備校に通っていた時に、
水粘土で「10センチ角の立方体を作る」という課題が出ました。
その時、市販の粘土篦以外の便利な道具として
先生から金鋸の刃を教えてもらいました。
もちろん、そのままでは長すぎるので半分に折って使います。
刃のついた方で表面をなでると凹んでいる部分がよくわかり、
そこに粘土を足して徐々に形を作っていきました。
ところでこの粘土の「10センチ角の立方体」なかなか勉強になります。
実際の入試には出ませんが、
まじめに10センチを正確に計ってきっちり作っても
まじめに10センチを正確に計ってきっちり作っても
そのように見えないんですよ。
実は、少々のトリックが必要なのです。
立方体の角や辺を正確に作るよりも、
真ん中を微妙に凹ませた方がよりきれいな立方体に見えるのです。
(やりすぎると気持ち悪いので注意)
逆に、正確に計測して作った立方体は、真ん中が若干ふくらんで見えるんです。
興味のある方は是非やってみてください。
こういった工夫が実際の入試で大勢のライバルの作品の並ぶ中から
目を引くための作品を作る秘訣になるということを学びました。
というわけで金鋸の刃。
当然受験生だけでなく、人間国宝の先生も使われているのですが、
エジプトでも見つけました。
エジプトでも見つけました。
カイロのザマレクというナイル川の中州の島に美術学校があり、
その近くの半分廃墟のようなショッピングセンターに小さい画材店が数軒入っていました。
その一件に、こんなものが売っておりました。
一番左が日本の金鋸の刃を折ったもので、
それ以外がカイロで売っていたものです。
エジプトの金鋸刃は日本のより若干薄くペナペナしていることもあって、
右の2つは使ってみて手が痛かったのでたこ糸を巻きました。
金鋸を2つに切って、それをグラインダーで削っただけの簡単なつくりですが、
こんなものを作って売っているということに感動し購入しました。
実際に使ってみると、なかなか使いやすい角度になっていることがわかります。
(しかし、そもそもこれは粘土造形用に作ったのかどうか未確認です。
アルミの棒で作られた粘土篦らしきものと一緒に並んでいたのです)
粘土造形の場合、カッターの刃などでは切れすぎて危ないのですが、
これは刃の角度もゆるく、切れすぎないところが良いですし、
もちろん、砥石で研げばもっと切れます。
自分で角度を少し変えることもできますね。
半分に折ることで満足していた自分には目からウロコでした。
しかし、地球の反対側の違う文化を持つ人達も、
本来の道具の使用目的とは違う使用法を思いつくというのがいいですよね。
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