職人さんには長寿の方が多いと言われています。
手を動かすことが健康に繋がっているのではないかという話です。
木曽福島には、1917年生まれの96才で現役の木地師、村地忠太郎さんがおられます。
「崖っぷちの木地師」という本に書かれている曲物師さんです。
昨年、有り難いことに仕事場にお邪魔することができました。
玄関横には木が大量に積まれています。
村地さんは、ヒノキやサワラで曲物製品を作られています。
お邪魔した時は小さな小物入れを作っておられるところでした。
小さい品でも作業の量は同じか、逆に手間がかかるくらいだし、
かと言って高くできないから割が悪いんだけど、
こういう物の方がお土産として売れるから注文されちゃうんだよね!
とおっしゃりながら作業する手先は正確!
代々受け継いでいる曲輪を固定する道具が宝物だとおっしゃいます。
同じような形で作ってみてもどことなく具合が悪いそうです。
曲げたヒノキの薄い板を接着して乾燥しているところです。
眼下が川です。
階下に降りる階段の脇にもヒノキの板が!
いい木を見つけると今でも買っちゃうのだそうです。
素晴らしい。
いい木を見つけると今でも買っちゃうのだそうです。
素晴らしい。
川を見下ろす仕事場です。
座っている状態で必要な道具に手が届くように見事に配置されています。
村地さんの鉋。年期が入っています。
左手にある石臼は木を曲げる時の重石に使うものです。
左手にある石臼は木を曲げる時の重石に使うものです。
壁には、これまで作った品のゲージとなる型が吊してあります。
何がいつ来ても大丈夫だそうです。
細かい板も木切れも、何かに使えるからと、まとめて取っておいてあります。
木工作業室が崖に面した下の階で、一階がショールームになっています。
曲輪の技法を活かした照明器具や、菓子皿など、
今でも新しい製品の開発を楽しんでおられます。
木曽福島といえば御嶽山登山の玄関口として栄えた中山道の宿場でもあり、
昔はたくさんの塗師や木地師がいたそうですが、
今では曲物専門の村地さんくらいになってしまったそうです。
村地さんのところには木曽平沢からも注文が入ります。
これまで村地さんのところに弟子になりたいと来た人はいても、
どなたも続かなかったそうです。
「結局食べていけないからしょうがないよね。」と。
特に、一番最近だった方にはかなり期待をされていたらしく、残念そうでした。
しかし、そういう経緯もあったおかげか、
数年前から娘さんが継ぐことを決意され、現在はお父さんと一緒に修行中!!
木曽平沢で漆も勉強しているそうです。
親子展がいつか開催されるのが楽しみです。
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