紙の語源がパピルスだというのは皆さんよくご存じだと思います。
英語では"papyrus "と綴り、発音は「パパイラス」です。「
パピルス」では通じません。
日本語名は「カミガヤツリ」で、カヤツリグサの仲間です。
ロンドンのヨガの先生のところに大きな鉢植えのパピルスがありました。
仕事でカイロに行くことが決まったた時に、
先生からパピルスの茎を分けていただいたのですが、
飛行機で植物を持ち出すわけにいかないため、残念ながら友達にあげてしまいました。
後日友達が送ってくれた写真です。
エジプトはさぞかしパピルスだらけなんだろうと思っていたのですが、
毎日ナイル川を見ていてもそれらしい草は見あたりません。
パピルスのあるところに連れて行って欲しいとエジプト人に頼んでみたところ、
車は町中に向かっていきます。
不思議に思っていたところ、着いたところはツタンカーメンの絵やらが描かれた
パピルス紙を売っている土産物店でした。
これじゃなくて生きている草が見たいのだと言ったら、
カイロにはパピルスは自生していない、カイロ博物館の前庭くらいにしかない、
と言われ、
また、以前あったパピルスセンターという施設も閉館してしまったということで、
結局1度も本場では生きたパピルス草を見る機会がありませんでした。
上はエジプトのアレキサンドリア図書館、
下はカイロ博物館に展示されている古いパピルス文書です。
「地球の歩き方」などには、パピルスの作り方は、茎を薄く縦にスライスして、
それを互い違いになるように並べて上から押しつぶすとあります。
パピルスの茎に含まれている多糖類が接着剤となり、
薄い繊維同士がくっつくという仕組みです。
しかし、これらの古いパピルスは、現在市販されているパピルスとは
かなり雰囲気が違います。
これが現在市販されているパピルスです。
(と言っても、エジプト風の絵が描かれていないパピルスの入手は
カイロでもなかなか難しいです)
ケンブリッジ大学の出している分厚いエジプトの研究書には、
茎をかつらむきにした幅の広いテープ状のものを使っているのではないか
という説が書かれていましたが、私もそう思います。
ナイル上流のパピルスは茎がかなり太く、
地元の人達はパピルスを編んで小舟を造るそうです。
そして帰国してわりとすぐ、用事で博多に出かけた時、
ある神社の横を通りかかりました。
何やら見たことがあるような形状。
ある神社の横を通りかかりました。
何やら見たことがあるような形状。
あれ?これはもしかして???
これはもしやパピルス?
そしてこの神社は天神様、ありえる!
さすが九州ではパピルスが屋外でも枯れないのか?と驚いたのですが、
後で友人に聞いたところ、カヤツリグサの仲間には違いないけれど、
これはパピルスじゃないと言われ、ぬか喜びでしょぼ〜ん・・・
これはパピルスじゃないと言われ、ぬか喜びでしょぼ〜ん・・・
しかし、東京の王子にある「紙の博物館」の玄関前にはちゃんと、
楮、三椏と並んで、パピルスの鉢植えが飾られていました。
楮、三椏と並んで、パピルスの鉢植えが飾られていました。
パピルスは氷点下になると枯れるそうなので、冬は屋内に入れるのでしょうか?
茎の断面は三角形です。
意外にも、昨年秋に行ったロスアンゼルスのHuntington Gardensには、何と屋外の水辺にわしゃわしゃと生えていました。
さらに驚いたのは、この日の夕方お邪魔した知人のお宅の庭にも、
パピルスが元気に"地植え"されていたことです。
パピルスが元気に"地植え"されていたことです。
ロスアンゼルスの暖かさをここでも実感しました。
ちなみに、パピルスの増え方は、博多のカヤツリグサ同様、茎が折れて頭の部分が水に浸かると、わさわさした頭の方から根が出、頭の根元に近い方から新しい芽が出て、
元の茎から独立するという不思議なものです。
元の茎から独立するという不思議なものです。
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