2011年夏にブータンに行った際、東ブータンのタシヤンツェで伝統技芸院の先生に
工房を案内していただいてる途中のこと。
突然「これ、染め物に使う草だよ。見てごらん。」と、
いきなり道ばたにあった草をむしって手で揉み出しました。
何やら汚い色ですね。
実はこれが、ブータン茜なんです。
日本の茜とは種類が違い、根っこだけでなく葉や茎にも色素があるのです。
翌年も探してみました。お、あったあった。
茜というだけあって、根っこも芽も何やら赤いです。
古い根も赤いです。
これを取っていたら、近所に住む若い夫婦が「何を取ってるの?」と
不思議そうに聞いてきました。
「これ、赤い色が染まる『ツェー』という草で、昔はこれで糸や漆器の木地も染めていたんだよ。」と教えてあげたら驚いていました。
今やブータンも合成染料が主流ですから、みんな知らないんですね。
ここから西に進んで、モンガルという地区に着いたら、あたりはもう茜まみれです(笑)
引っ張り出してみたら、数メートルの長さにまでなっていました。
茎はなんだかべたべたした繊毛みたいなものがあって、他の草や木にもからみついて成長していくのです。他の比較的温暖な地区では、気が付くとあちこちにありました。
こんなにあたり一面に生えていても、
ブータンは植物の持ち出しが厳しく制限されているために、残念ながら持ち帰れません。
雑草退治にもなるのに、何とか利用できないものかと思います。
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