漆器産地のタシヤンツェで、内側銀貼りの杯の銀部分は誰が作っているのか、
ずっと知りたかったのですが、
今回ようやく2人の鍛冶屋さんの訪問が叶いました。
しかし、伝統技芸院講師のKさんによれば、
残念なことに、腕が良かった高齢の鍛冶屋さんは
去年なくなってしまったばかりなので、
腕はいまひとつの若い人のところに行くと言います。。
ブータン人の言う「高齢」はいったいいくつからなんでしょうか。
最初に車を降りたのはタシヤンツェの新しいゾンを見下ろす高台でした。
近所は田植え準備の真っ最中でした。
さらに奥に進みます。
鍛冶のBさん(62歳)のお宅がありました。
ブータン政府のKidoという、チベット移民に土地を分ける政策により
この土地をもらったとのこと。
しかし、残念ながら現在お子さんも全て街に行ってしまい、
現在はこの大きなお宅に犬と一緒に暮しているそうです。
裏に鍛冶小屋がありました。
道具も全て自作だそうです。
しかし、炭だけはヒマラヤゴヨウの炭を買ってくるそうです。
お面などの彫刻に使う小型の刃物を作ってもらいました。。
材料の金属は同様に、トラックの運転手などから買うそうです。
小さくても手間はかかるので値段は同じでした。
日本と違って、鋼1枚でできています。
日本の刃物に比べて研ぐとちょっと硬いので、
日本の砥石だと減りが早く、これもブータンの天然石の方が適していそうです。
Bさんは彫刻刀、木工轆轤加工刃物、農具のほか、
漆杯の銀細工なども注文に応じて作られるとのこと。
しかし、残念ながらBさんのお子さんはどなたも鍛冶に興味はなく、
後継者はいないそうです。
同居のわんこも寂しそうでした。
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この調査はサントリー文化財団の助成で行われました
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