2014年9月5日金曜日

屋外の刺繍布

暫く間が開いて9月になってしまいましたが、
調査でウズベキスタンに行っていました。

調査の主目的になった題材についてはまだ公開することができませんが、
せっかく手工芸の盛んなウズベキスタンに来たのだからと、
なんとかいくつかの工房を訪問することができました。

ウズベキスタンで有名なのは、「スザニ」という刺繍布です。
これはどの観光地にもホテルにも飾られていますが、
元々はお嫁入りの時に持参するベッドカバーなどを
娘が生まれたら数人がかりで糸の段階から作り始めるようなもので、
通常、木綿布に天然染料で染められた絹で刺繍がされ、
ザクロやチューリップのような土地の植物だけでなく
様々な色や模様があります。
現在ではお土産用にバッグやクッションカバーなども作られています。

これは、ブハラのホテルに飾られていたスザニです。

これらが飾られているのが、なんと天井のない中庭なんです。

雨ざらし、というほどには雨がほとんど降らない場所なので、
天ざらし、とでも言いましょうか。
何年くらいこの状態なのか、ホテルの人に聞けば良かったなと後になって思いました。

こちらは、観光客にスザニを販売する傍らで食事も出すお宅の中庭です。
スザニの他にも、ウズベクの帽子やカバンや絨毯なども展示しています。
天然染料は褪せやすい、さらに素材は絹だと言うのに、大丈夫なんでしょうか?

中庭なら日があまり当たらないんじゃないか?
と思われるかもしれません。




これはサマルカンドのレギスタン広場という場所です。
湿度が20%くらいで、雲なんかかけらもありません。

他の町の有名なモスクや神学校の多くと同様、
中庭の一階部分がみんなお土産物屋さんになっています。

 気温38℃を超えるような屋外に、古い絨毯が広げられているだけでなく、

スザニもこの通り。

天然染料でどのように染めているのか、
残念ながら詳しいことは秘密であるだけでなく、
ガイド氏が媒染剤というものについて理解してくれなかったので、
「天然のものしか使っていません!」で終わって、結局謎のままでしたが、
19世紀のスザニには明らかに鉄媒染だろうなというものがありました。
スザニについては改めてご説明します。

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