2014年9月18日木曜日

砥の粉を作る

スイカの季節も終わりで、
父が次に白菜を植える準備で畑の土を掘り返し、石をどけていました。
その中に、このように粉々に割れる石が混じっていました。
以前から、山科砥石みたいで気になっていたのですが、
今回の畑の穴掘りで大量に出て来たのです。

これは元々ここにあった石ではなく、
同じ町にあるとは言え、うちから自転車で1時間近くかかる山の土が
たまたま工事で出ていたのを貰って、整地の際に使っていたという話でした。

これは十分砥の粉になるんじゃないかと思い、
雨が降って粉々にならないうちにさっそく集めてみました。

一見、砥石になりそうにも見えるのですが、

表面の畑の泥を落とすつもりで水洗いしただけで、
「キュー」っという音を出してどんどん水を吸い込み、
軽く手で揉むだけでこのように粉々になりました。
木槌か何かで砕こうと思っていたのですが、その必要もなく。

何度か攪拌し、上澄みだけを別の桶に入れて暫く置くと、土だけが沈みます。
鉄分も含まれているので、上に油膜のようなものも浮きました。

沈殿したドロドロの土だけを、以前作っていた石膏型に流し入れて
水分を早く抜きました。
これは、形の良いスイカが気に入り、何かに使えないかと型取りしていたものですが、
意外なところで役に立ちました(笑)
陶芸教室などでは、防火建材の石膏ボードの上に広げています。

日の当たるところに置いておいたら、数時間でこんな感じに。

夕方にはここまで乾きました。

たった一日で結構な量が取れてびっくりです。
父によれば、この場所の石(土)を使って焼き物を使っていた人もいるとか。
練ってみましたが、今の状態ではコシがなさすぎて、
陶土にするには少し寝かすか何かせねばならなさそうです。
しかし、機会があればどこかで試し焼きをしてもらおうと思います。

玉砥の粉として使うために、小さく丸めて乾燥させます。
固形にしておくと粉末状態よりも不純物が入りづらいので、安心して使えます。
これをさらに水簸すれば、もっと粒子の細かいものも作れますが、
それは必要になってからということで。

日本で唯一の砥の粉産業がある京都山科でも、
現在、進藤謙商店一件のみが製造しているだけだそうです。

しかし、倉本砥之粉もまだサイトがあります。

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