2014年9月9日火曜日

サマルカンドの紙

ウズベキスタンと言えば忘れてはならないのが、
サマルカンドの紙です。
751年の唐とサラセン帝国が戦ったタラス川の戦いで
捕虜となった中国人から紙の製法が伝えられ
この地で製造が始まったのが753年、
それがアラブを経由し、スペインに伝わったのが12世紀です。
このおかげで、それまで羊皮紙に書かれていた聖典が
紙にも書かれるようになったわけです。

サマルカンドの製紙工房ももちろん地球の歩き方に掲載されています。
ここは見学だけで一人3,000スムの入場料を払う方式です。

紙の原料となる木の皮が吊されています。

通路では、女性2人が木の枝から樹皮を外し
さらに外皮を剥いています。

ここでの製紙材料は桑。
枝を一日水に漬けておいて皮を剥ぎ、さらに外皮を剥ぐそうでし
日本だと蒸してから熱いうちに皮を剥ぐのですが、桑は柔らかいのでしょうか。

そして、煮熟も、普通の水で煮るだけだそうです。
砂漠地帯の川の水はアルカリ成分が多いから必要ないのでしょうか?
これも驚きです。

水だけでもかなりのアクが出ていることがわかります。

これを、水車を使った臼で撞きます。


大変な叩解作業もこれなら楽ですね。

紙漉きの様子です。
まず、漉き船から紙料を適量掬います。
そして、前後左右にちょっと揺らしていました。
既に予想はしていましたが、ここにも日本の和紙の技術が入ってしまっているのですね。
しかし、ネリは一切使っていないという話でした。
枠を外し、

ひっくり返して上から押さえてある程度の水分を絞り、

右側にある大きめの別の紙の間に挟み、

重石を乗せてさらに絞った後、一枚づつ剥がし、

 生乾きの状態のものを

木の板に貼って乾燥させるそうです。

乾燥した紙は、大理石の台の上で磨いて艶を出します。

磨きに使われているのがこのイモガイ。
間違いなく海の貝です。内陸のウズベクで、これも怪しい。

この時使っていた漉き簀の網は金属製でしたが、


やはり日本の竹で編まれた漉き簀も飾られていました。
ブータンでもそうでしたが、
日本の和紙の製法で作る方が丈夫で均質になり高く売れるからという理由で
その国に伝わっていた伝統的な製法はどんどん行われなくなってしまうのですよね。
これに関しては日本人として、何とも言えない気持ちになります。

外には、マーブリングの体験用と思われる道具も置かれていました。


 裏庭を使って、様々なワークショップも行われているようです。

裏庭は水路が両側にあり、大変気持ちの良い場所でした。


ここにもスザニが屋外に。






職人のお兄ちゃんの手はTシャツの色と同じ緑色に染まっていました。
紙を染めていたそうです。

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