何年か前、大友克洋の「スチームボーイ」という映画がテレビで放送された時
最初の方をちらっと見ました。
イギリスの織物工場だったのですが、
織機が何台も並ぶ巨大な工場の中でみんなが普通に会話していて、
えええ?と思いました。
私が小学生の頃、祖母が働いていた紡績工場を辞める時に
なぜか私も工場について行ったのですが
とにかく音がうるさくて、工場内では人の話なんか何も聞こえなかったということが
今も強く印象に残っているのです。
さて、昨年秋に、友人に丹後ちりめんの機屋さんに連れて行ってもらいました。
丹後ちりめんという名前はもちろん聞いたことはありましたが、
作っているところに行くのは初めてでした。
着物産業は全国的にかなりの危機的状況だと聞いていますが、
丹後でも、あちこちにあった工場が今ではわずかに残るだけだそうです。
まずはそのうちの一件、オーダーでちりめんを織られている
「織元こばやし」さんです。
ジャカード織機を使って、模様入りの白い縮緬を織られています。
ちなみに、「ジャカード」は、「ジャガード」ではなく、
フランス人のJoseph Marie Jacquardさんが1801年に開発したことでついた名前で、
本来なら「ジャカール」と読むべきなんですよね。
こちらでお使いの機械も現在では製造されていないため、
社長自らがメンテナンスしながら使っておられるとのことです。
どれだけ音がするか、動画をアップしましたのでご覧下さい。
ジャカード織りの模様は、このパンチカードを使って縦糸を操作して作られます。
もちろん、どれだけの数の素晴らしいパターンを持っているかというのが
その工場の財産なのですが、
今では中国などにどんどん真似されてしまうので、なかなか大変だそうです。
さて、次に行ったのが、ちりめん用の糸を作る、高美機業場さんです。
ちりめんを作るには、S撚、Z撚の2種類の糸が必要になります。
これは、糸が撚られる方向、いわゆる右巻、左巻とでも言えばわかりやすいでしょうか?
この2種の糸を組み合わせることで、独特のシボが生まれるわけです。
こちらの工場では、八丁撚糸機という、水を使った強燃機を使っての
撚りをされています。
これが八丁撚糸機です。
糸は、S撚、Z撚で色別けされています。
今ついている色は後で落ちます。
水を使って撚った糸をベランダで乾燥中。
綛に巻き取って
2種の糸を使ってちりめんが織られています。
着物だけではなかなか売れないため、皆さんは新商品をいろいろ工夫されています。
この工場では、ちりめんの風呂敷や小物も作られています。
そして、案内をしてくれた友人は、こんなことをやっている人なのです。
ちりめんリボン京丹後
どこかで見かけたらよろしくお願いします。
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