2014年12月5日金曜日

自家製お歯黒2

いろいろな色の革を縫わないといけないことになり、
麻でできている革用の手縫い糸を染めています。
左がタマネギの皮染め、
右は最初紅茶で染めたものの、縫う革と比較して色が薄すぎたので次にコーヒーをかけ
それでも薄すぎたので、仕方なく自家製お歯黒をかけたもの。
実は思った色とはちょっと違ってしまいましたが、
これも良い色なのでこれはこれとして。

鉄媒染用の自家製お歯黒は以前にもご紹介しましたが、
鉄錆に水と五倍子(ふし・ヌルデの虫瘤)を入れて放置しておいたものです。
五倍子には、没食子酸(gallic acid)が含まれているため、
鉄と反応が起き、水に溶けるのです。
(反応がおきると泡が出てきますから、たまに蓋を開けてガス抜きします)


今年はこれ以外にもう一つ作ってみました。

錆びた釘と水の他には
青梅を氷砂糖と酢に漬けてサワードリンクの元を作った後、
取り出した梅の果肉でジャムを作った時に残った種を入れ、
それを、真夏の日向に数日置きました。
酸も糖分もあり、何よりも廃物利用になると思ったからです。


細かい泡が出てきて、ボトルがぱんぱんに膨らんできます。

数日置いておくとこんな感じに。
破裂しないように適宜ガス抜きをしています。

五倍子を入れた左側の方が圧倒的に反応は早いですが
右側もゆっくりと反応が進みました。

これらを作って数ヶ月、別の容器に移しておいた上澄みを使って比較してみました。

上はタマネギの皮で染めておいた麻糸
左が五倍子、右が梅の種で作ったお歯黒です。
これに入れて鉄媒染をしてみます。

入れた直後はあまり大きな差はありませんが、

だんだん右の色が濃くなってきました。

微妙ですが、最終的に右の方が濃く定着しました。

ところで、写真では全く伝わらないのですが、
梅で作ったお歯黒液の臭いのなんのって(笑)
手についてもなかなか取れずに難儀しました。
柿渋と鉄が混じったような匂いです。
面倒がらずに手袋を嵌めて作業をしないとダメですね。

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