さて、これらの工場に積まれていた大量のスティックラックは
どのように工場に来たのでしょうか?
土曜日のTajna Shellac Private Companyに行く道すがら、
道の右側にローカルマーケットが見えました。
ヨギ博士が、これは週に二度しか開かないマーケットなので、
帰りに時間があったら寄ってみよう、
時期柄、ラックを売っている店が出ているかもしれない、と言いました。
実際、写真なんか撮影している余裕もない程の混雑ぶりでした。
謎の木の枝は、歯磨きに使うものだそうです。
こんな怒濤の中を、ヨギ博士が周囲の人にラックを売っている人がいないか
あちこちで聞いて廻った結果、
市場の外れの影に、それらしき人が。
ちょうど地元のラック農家が収穫したラックを売りに来ていて
代金を渡しているところでした。
ということで、ヨギ博士が頼んでのやらせ写真(笑)
黄色い服の男の子がラックを持って来た子です。
彼が持って来たのは生のクスミラック。
こちらは乾燥したクスミラック。
生のは割ると手に赤い汁が着きます。
隣にいた人が"Insect blood, blood."と言います。
これを1キロ買おうとしたらヨギ博士に制止され、
やむなく半分の500gにしました。
乾燥すると400gになってしまうけどそれでもいいのか?
と言われて買ったお値段は100ルピーでした。
これは、車中で先にヨギ博士から聞いていた、
ここ2−3年でインド政府が決めたという最低価格です。
この写真の左がランギーニ種のラックです。
あまりに粉々だったので買うのを止めましたが、今考えると少々後悔。
見た目から全然違いますね。
この市場にはもう一件のラックの店が出ていましたが、
残念ながら不在でした。
後ろに見えるのは単なる穀類の袋で、ラックではありません。
インドではラック農家の組合のようなものは全くなく、
仲買人がこのように市場で農民からラックを買ったり、
大規模なラック農家なら直接訪問して買ったものを集めて
工場に売りに行くのだそうです。
その為、買い取り価格は以前は仲買人のいいなりで、
これでは安心してラックの養殖を薦めることができないからと、
ようやくインド政府が最低価格を決めたのだそうです。
しかし、クオリティ−・コントロールとかの面に関しては
農家の良心に任せる部分もまだまだありそうな印象を受けます。
ヨギ博士によれば、養殖に関しては特に技術も必要なく、
適切な時期に種ラックを接種したら、後は放置で構わなくて、
専業というよりは農家の小遣い稼ぎの副業だとのことです。
幸い、ラーンチーの近郊はPalasやKusumやBerの木がたくさん自然に生えており、
また、ラックが生育するのに適切な温度(暑すぎもせず、寒すぎもせず)のため、
この地域で養殖が盛んになっているのは理屈に合っているのだとか。
次はラック採取の様子です。
※この調査は生き物文化誌学会「さくら基金」の助成を受けて行われました。
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