2014年11月5日水曜日

漆の葉

漆の葉が紅葉しないという話は先日も書きました。


 紅葉でなく黄葉です。

 漆やハゼの葉は「複葉」と言って、
葉軸から出ている複数の葉はもともと一枚の葉であり、
我々が普通「葉」と呼んでいる部分は
植物学的には「小葉(しょうよう)」と言います。
落葉時には葉軸から落ちることから納得できますね。
(つまり、落葉する部分全体が一枚の葉)

タイやミャンマーのGluta usitata
オスのSemecarpus reticulatusなどの南方漆の木の葉は
日本や中国の漆やハゼとは見た目が全然違うのですが、
元は巨大な一枚の葉が進化によって裂けて複数の葉になったということで
理解ができます。
ちなみにこれはラオスの漆の木、Semecarpus reticulatusです。
(2011年11月撮影)
この時期ラオスも朝夜の寒暖の差が激しいとは言え、
常緑っぽく見えますが、冬はどうなるんでしょう?


各地で漆の木を見ていると、
どうも幼木の葉の方が赤くなるようです。
紅葉した葉での草木染めをされる方もおられるようですが、
赤くなった漆の葉を探すのが大変だとおっしゃられていました。

ハゼで染めをされる方は、
紅葉した葉でなく、実のついていた軸を集めて使われるそうです。
漆の実の軸ではどうなるか、一度試してみたいです。

 地面に落ちていた漆の葉(小葉)です。

よく見ると、漆で光っているような部分があります。
幹だけでなく、葉っぱにも漆が流れている証拠ですね。

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