さて、浄法寺の大森清太郎さんの漆の種の蒔き方です。
脱蝋し、10 日間真水につけ、3 日に一度水を交換していた種。
気温が低ければ時間を長め、気温が高ければ短めでもOK
種を蒔く畑は10日くらい前に配合肥料、硫安、牛糞などを入れ
鶏糞は窒素分が多すぎるので使わない。
20-30cm耕し、ガス抜きしておく。
ガス抜きが不十分だと成長障害が起きる。
ドラム缶に水を半分くらい入れたローラーで地ならしし、上にビニールをかけておく。
種はこの程度にばらまき
上に土を1センチくらいかぶせてならす。
その上に藁をかぶせ、あらかじめ張っておいた藁紐を上にし、
リンゴの枝に切れ目を入れたものを使い
藁を紐で押さえる。
夜になれば水分が土の中から上がり、藁に露が付き、適度な湿気が与えられるので
種まき後に水をかけなくても良い。
藁は地表の乾燥防止と、土が風で飛ぶのも防ぐ。
20 日くらいで芽が出るので、藁を取り、6 月に間引きを行う。
11 月に葉が全部落ちてから苗を抜いて保存する。
(束ねて杉の葉をかぶせ、雪の下に埋めておく)
そのままにしておくと霜に弱いので焼けてしまう。
じめじめしたところも適さない。
これを2 年繰り返し、20 センチくらいで根を切ってから本植え。
(植え替えの時の活着を良くする)
土は重機で踏み固めない方が良い。
その年、脱蝋した種を頂いたので、帰宅してから水に浸して蒔きましたが、
残念ながらうまく発芽してくれませんでした。
大森さんの畑の土は、火山灰質のさらさらで砂のような土です。
大森さんはゴールデン・ウィークの前頃に種蒔きをされるそうですが、
青森と秋田の県境に近い浄法寺では、その頃が桜の時期です。
暖かい地区ではそれより早い時期の種蒔きと、
適切な水やりも必要になるかもしれません。