2015年12月28日月曜日

ラックを訪ねて中国編(2)

雲南省の双江(シュアンジャン)は、ラフ族、ワ族、プーラン族、タイ族の
4つの少数民族の自治州です。
昼食はワ族の食堂で食べました。
水牛の角が目印のようです。

トウモロコシが飾りのようできれいです。

これらの壺には、白菜の漬け物が入っているそうです。
蓋が面白いですね。

屋外の真っ赤な屋根のテントの下だったのでこんな色になっていますが、
全ての料理が大きな竹ザルに盛られて出てきました。

街路樹になっている木にもラックがいることがあるそうで、
社長さんが探してくれましたが、残念ながら見つかりませんでした。
というわけで、ラック会社の社員さんの一人の地元の村の
以前ラック養殖をやっていたという山に向かいました。
「以前」というのは、数年前の天候不順以降、ラックは不況が続き、
値段が下がったおかげで多くの農民が養殖をやめてしまったのだそうです。


この地域では現在、サトウキビやトウモロコシが作られていますが、
収穫後の山にぽつぽつと残っているのが、ラックを養殖していた木だそうです。

サトウキビが残る山道を延々と登ります。

下に川が流れていても、冬は乾燥した気候のようです。

山道に近い木にラックがいるかどうか、
社員さんが木に登って見てくれたところ、

いました!!!
二齢の幼虫です。
まだ数日前に孵化したばかりだろうとのこと。

下の前シーズンのラックの固まりから出てきた虫は
まるでゴマ粒みたいですね。
放置されて数年後でも、まだ生き延びている虫がいたわけです。

このホストの木「钝叶黄檀」は根が深く伸びるため、土砂崩れを防ぐことから
ラック養殖が行われなくなっても切り倒されることがなく残されており、
アグロフォレストリーの代表例としてフランス人の研究者にも賞賛されたとか。
ラックが高値で売れるようになればいつでも養殖を再開できるということがわかり、
資源昆虫研究所のCさんも安心していました。

会社に戻ると、ちょうどトラック満載の松ヤニが出荷されるところでした。
もしかしたら私より先に日本に着いているでしょうか。


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この調査は生き物文化誌学会さくら基金の助成により行われました。

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