酷暑もあってか、今月突然母親が動けなくなり、
病院往復と家での介護でてんてこ舞いの日々です。
ようやく涼しくなり、母親もちょっとましになってきたので、
花の咲く前の時期を逃してはなるものかと、
去年からやりたかった葛の葉染め実験を決行しました。
葛の葉を使った染めについては、
この手染メ屋さんのブログにも書かれていますが、
「草木染め」の二代目、山崎青樹先生が考案された方法です。
葛の葉を炭酸カリウム水溶液で煮出すことを繰り返し、
1煎目、2煎目は使わないで
3煎目以降の液を使うときれいな緑が染まる、というのです。
葛は実家から自転車で5分くらいの国道脇に大量に生えています。
用事で通りかかる度に「あ〜、摘んで帰りたい!」と思っていましたが、
比較的朝も涼しく、天気も良い今日、思い切ってそのためだけに出かけました。
根があるのは国道脇の空き地ですが、もちろん他人様の土地ですから、
中に入らないよう、道路にはみ出ている部分だけを採りました。
さすがはアメリカで「モンスタープラント」と呼ばれるだけあり、
かなり大量に採ってもほとんど見た目は採る前と変わりません(笑)
葛はマメ科植物ですから、大豆の葉とも似てます。
もしかしたら大豆でもできるかなあ?
炭酸カリウム3グラムを3リットルのお湯に溶かし、
そこに葛の葉だけを入れて煮ました。
お浸しにして食べられそうないい色です。
水の色がよくわかるように、染めようと思っていた白いタオルを一緒に入れて
ついでに煮込みました。
こんなおおざっぱな方法、本職の方には怒られてしまいそうですが、
とにかく、今の段階ではこんな黄色っぽい色です。
一煎目の液とタオルをバケツにあけ、
二煎目も同様にしてみました。
1煎目とはあきらかに水の色が変わり、緑色です。
葉もかなり柔らかくなってちぎれて来ました。
左上から1煎目、2煎目、下が3煎目です。
写真だとわかりづらいですが、3煎目の緑色の色がかなり濃くなりました。
媒染する前の状態です。
木綿なので、それほど濃く染まっていませんが、
色の違いがおわかり頂けるでしょうか。
3煎目以降も、4煎目、5煎目と染め液は取れるようですが、
容器が足りないので今回はここまで。
明礬で媒染し、また鍋に戻して加熱、冷まして媒染を3度繰り返しました。
一昼夜放置して媒染を繰り返せばもっと濃い色になるはずですが、
残念ながら今日明日はそこまで余裕がないので、また別の機会です。
絹や羊毛を使い、硫酸銅で媒染するととてもきれいな緑色になるそうですが、
木綿のタオルでもそれなりの色に染まりました。
世間では迷惑な雑草としてうざがられている素材で、
それも、黄色と緑の2色が染められるというのは大変面白いですね。
染材を一度煮出しただけで捨てるのでなく、
何度も、それもpHを変えて煮るという、単純でありながらコロンブスの卵的な
この方法を考案された山崎青樹先生に改めて敬服する次第です。
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