2015年1月19日月曜日

ラーンチーの工芸品

ラックの他にももちろんインドには様々な美術工芸品があります。
私が訪問したRanchiには、インド天然樹脂研究所の他に、
この地域の特産の野蚕の一種であるタサール絹の研究や
希望者へ養殖やタサール加工についての職業訓練を行っているそうです。
残念ながら、ここの見学は最低半日かかると天然樹脂研究所のラマニ所長に言われ、
また次回来た時に、となりました。
このサイトを見ると成虫の羽の模様が結構怖いので、行かなくて良かったかも?

しかし、せっかくなのでお土産にタサール絹の布か糸が欲しいと伝えたところ、
市内のMain Roadという、その名の通りのメインストリートにある
服地の専門店に連れて行ってもらいました。

ラマニ所長が連れて行ってくれた店は、
政府関係者が使う布も扱うという老舗だそうで、
絹だけでなく、木綿やウールなどの高級布地ばかりの感じです。

見せてもらった布はそれぞれ質が違いますが、どれもタサール絹だそうです。
左はおそらく蚕蛾が出た後の繭から取ったギッチャだと思います。

後で調べたところ、左上の黄色いものは半養殖もののようです。
ラマニ所長によれば、卵から幼虫に孵化する最初の頃は家の中で飼って、
ある程度大きくなってから外に出すという方法だそうです。

タサール絹は我々の知るクワの葉を食べるのでなく、
オークの仲間の木の他、
Asan (Tilia tomentosa、シナノキの仲間)、
Arjun (Terminalia arjuna)の葉を食べるそうです。
このArjunの方は、染め材として販売もされている「さだらの木」のことだそうで、
樹皮はタンニンを含むということから、
このような茶色い色の糸ができるのですね。

インドだけでなく、無地の布を探すというのは意外に大変ですが、
値段はやはりそれ相応だったものの、ラマニ所長のおかげで良いものが買えました。

無地に拘らなければ、ラーンチーのMain RoadにはJharcraftという店舗もあります。
4階まである大きな建物です。

ここではJharkhand州の手工芸品の他、蜂蜜や石鹸などの製品も購入できます。

布類はさまざまな加飾が施されたものです。

中には、こんな手描きのスカーフや、

手刺繍のものや、

木版印刷のものがあり、それぞれが珍しく面白いです。

インドの絹製品は、このラベルがついていれば安心して買うことができます。

 布製品の他にはラックの腕輪や革製品、紙製品、

 メソポタミア時代からあるというDhokraの真鍮細工。
 ロストワックス製法で作られているそうですが、
そのワックスとはラックと土を混ぜたものらしく、
今度は作っている村にも見学に行きたいです。

焼き物の仏頭の上にジュートの毛を植えた置物。
中国のガンパウダー茶みたいです。

これらの他に、竹筒の表面に彫刻を施したものがありました。

魚の模様が彫られています。

片側は只の穴ですが、

もう片方にはこのような金具が填まっています。

ラマニ所長に教えてもらいましたが、
これは、金具のついていない方の端を持って回すと音がする
Wind Fluteというものだそうです。
竹の太さや厚みによってか、それぞれ音が微妙に異なり、
面白いので一本買って帰りましたが、
スーツケースに収まらない長さで、持ち帰るのはちょっと大変でした。
YouTubeに動画がないかと探しましたがありません。
これは直接音を聞かないとそのおもしろさがわからないのですが、
インド各地に同じものがあるらしいので、
行かれた方は探してみてください。

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