2015年11月15日日曜日

バスに漆

今年も丹波漆のうえるかむまつりが開催されました。
残念ながら今年は土曜日だけしか参加できませんでしたので
簡単にその様子だけ。

まず、丹波漆作品展の会場となっているやくの木と漆の館へ。
今年は大きい作品はありませんでしたが、
毎年、漆の固定観念に捕らわれない使い方が見られるのが興味深いです。
手前は、昨年のメガネのPariMikiの120周年記念をきっかけに
京都漆器青年会の会員が制作したというメガネフレームの展示です。

さて、講演会の方ですが、
なんと直前に会場のダブルブッキングが発覚、
しかし、関係者の皆様が遅くまで準備に奔走してくださったおかげで
無事に開催されました。
スタッフ、市役所の皆様、お疲れ様でした。

さて、変更された会場の体育館に入ると、
京都美術工芸大学の2年制の学生さん達のデモンストレーションと
活動紹介のパネル展示がありました。



木地固めをするのはもちろん丹波漆です。
この学生さん、手がかぶれまくってますが、楽しそうでした。

そして、外では京都交通の東京ー舞鶴線に新しく導入されるという
丹波漆を塗ったバス、シルフィード号のお披露目が!

生憎の雨の中でも皆さん興味津々。

この、朱溜塗り部分の中塗りと上塗りが丹波漆だそうです。
(屋根に近い部分は金箔の上に透漆を塗った白檀塗り)
この部分を塗った、丹波漆掻きの竹内耕祐君です。
先日、NHK BSの路線バスの旅でも作業の様子が流れたそうです。
NPO丹波漆の岡本嘉明さんと竹内君が採取した漆を
同じ京都の佐藤喜代松商店で、
紫外線に強くなるような方法で精製されたものです。
(※何かを添加しているわけではありません)

この精製方法は、京都市産業技術研究所が中心となり開発されたもので、
佐藤喜代松商店では以前、自宅の自家用車に塗装し、
その耐候性、耐久性を自ら実験していたという実績もあり、
そこからさらに改良工夫がされています。
(2007年8月18日撮影。既に数年の走行を経過した状態です。
車体自体が古くなったため、既にこの車は廃車にされました。)

そこから数年、長距離を走るバスの車体への導入というのは画期的であり、
この英断には頭が下がる思いです。
京都だからこそできた、という素晴らしいアピールになりますね。
ご覧になっている皆さんからは、
「次はバスの内装に漆だな!」との声も聞こえてきました。
地元の産物を使った画期的なバス、
このバスに乗りたいということで、
丹波、丹後へのお客さんが増えることに期待増です。

シルフィード号の時刻表はこちら。

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