2014年6月19日木曜日

木綿の「サッカー」

ワールドカップ開催中のため
母親は普段のような番組が見られないことがあり不満げです。
イギリスでは"Football Widow"という言葉もあるくらい、
ワールドカップやユーロ開催中は女性が放置されるだけでなく、
現実に、元々サッカー(football)に興味がない人たちも相当数おり
(実際私の周りはほとんどがそうでした)、
特に嫌っている人たちは、開催時期だけ関係ない国に旅行するそうです。
実際、クリケットとラグビーが好きでサッカーが大嫌いの友人Jは、
昔はその時期に日本に行く用を作って静かに過ごせたのに、今じゃ日本も・・・
と、昔を懐かしんでいました。

ところで、サッカーのユニフォームはポリエステル100%だそうです。
化繊というと、どうも汗を吸い取らないようなイメージがありますが、
特殊な加工方法により、
汗を早く吸い取って蒸発させ、常にさらっとした肌触りを保てるのだとか。
そのせいでお値段も相当になるにも関わらず、長持ちもしないそうで、
大きな大会の場合、試合毎どころか、
前半後半でもユニフォームを変えるくらいのようです。
そういえば、小競り合いでユニフォームを引っ張られると
簡単に破れるようなシーンも見ますね。

木綿は天然繊維でなんとなく良さそうに感じられますが、
汗や雨にあたると肌にべったりくっつき、
あまり気持ちの良いものではありません。

そんな木綿をさらっと感じさせるため、肌への接地面を減らした布があります。
パジャマや甚平などに使われる「サッカー」と呼ばれる布です。

footballのサッカーは"soccer"ですが、これは"sucker"、
正確にはsheersucker"。
もちろん球技には関係なく、ヒンドゥー語が語源で、
元々は亜麻に行われていたそうです。
このしわはアイロンをかけても戻りません。

本来の"sheersuckerは、
縦糸に張力(または伸縮率)の異なる2種の糸を使って作る
「しじら織り」を指すのだそうですが、
現在では織り上がった布に縞状に苛性ソーダを捺染することで、
(または、縞状に防染してから苛性ソーダ液に浸す)
苛性ソーダがついた部分だけが縮んでしわになるという、
「リップル」と呼ばれる加工方法のものも
今では「サッカー」として販売されています。

木綿や麻などの植物性セルロースの天然素材はアルカリにも強いため
苛性ソーダのような強アルカリを使った加工が可能になりますが、
絹や毛のような動物性でタンパク質が主成分の繊維は痛んでしまうので使えません。
しかし、ほんものの「しじら織り」はできますね。

これからの季節、サッカー地のシーツやパジャマで涼しくサッカー観戦、
というのもいいですね。

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