さて、翌朝、
染織村のDさんから「ラックが手に入らないよ〜」という電話が。
最悪、前日にNさんから入手したラックを使うしかないか、
ということで、とにかく染織村に向かいます。
道中、朝から川苔を作っている家を見かけます。
この右のバケツに入っている味付け水に、例のマコーが入っているはずです。
村に到着すると、絣用の糸を準備している人がいました。
この写真のシン(巻きスカート)の模様を真似するそうです。
さて、染めの方は庭で既に準備が始まっていました。
ラックはあの後なんとかかき集めたそうです。
ちょっと量は少ないものの、とにかくある分だけでやることになりました。
右が数日前に見たラック染めの木綿糸です。
さて、本当にこんな色に染まるのでしょうか?
既に、副素材の「マイドゥー」という木と、布で包んだ灰(キータオ)を
鍋で煮はじめていました。水のpHは9-10です。
これを漉して、再度火にかけ、そこにラックを一気に投入です。
砕かないでまるのままです。ラックを入れた直後のpHは5.
さらにナム・キータオ(灰汁)を追加します。
これでpHが一気に10まで戻ります。
アルカリを入れると樹脂が溶けるだけでなく、水色は紫に傾きます。
ほんとうにあの色になるのかなあ?と思いつつ、様子を見守ります。
ラックを煮ている間、マイドゥーの木を見せてあげるよと言われ
ついていきました。
木の割り口から赤い樹脂が出ています。
こんな木は日本でも他国でも見たことがありません。
こんな木は日本でも他国でも見たことがありません。
葉の様子からマメ科の木には間違いないと思います
さて、ラックもかなり煮えました。
この後、樹脂分を漉します。
樹脂は熱いうちにまとめます。
染め液ができました。
次は染めるものの準備です。
今回はこの工房にあった木綿ストールと糸と、
試験用の日本から持って行った中国の絹布です。
試験用の日本から持って行った中国の絹布です。
流水に浸したら、両手でパンパン叩き、水を浸透させます。
ここの水のpHは6-7の中性でした。
染め液に入れてグラグラ煮続けます。
いまひとつ、思うように染まらなかったようです。
濡れていると色は濃く見えますが、乾くと薄くなります。
さて、ここでそろそろお昼になり、
女性陣の一部が近所からガチョウを買ってきて、料理が始まりました。
しかし、担当者が染め色に納得していません。
第二弾の染めを行う前に、
理想の色になるよう、先ほどのマイドゥーや蘇芳やらいろいろ足します。
私は日本から明礬も持って行っていたので、
一度媒染をしたらどうかな?というつもりで渡したところ、
いきなり染め液の中に投入されてしまい驚きました。
金属塩としてでなく、酸として加えていたんでしょうか?
ちなみに明礬は外国人が教えたもので、
ラオスではもともと明礬を使った染めはしていなかったと
ガイドのMさんが教えてくれました。
ちなみに明礬は外国人が教えたもので、
ラオスではもともと明礬を使った染めはしていなかったと
ガイドのMさんが教えてくれました。
いろいろ試した結果、色は濃くなりましたが、
最初に思っていた色にはなりませんでした。
最初に思っていた色にはなりませんでした。
この鮮やかな赤色の糸を染めたのは、Dさんの奥さんで、
実際はラック以外に蘇芳をたくさん入れていたそうです。
これだけ苦労しても失敗だった理由は、
・ラックが少なかった
・灰汁が古くて質がよくなかった
と言われましたが、染め液にまだ色は十分色も残っていたので、
やはり下処理などの不足と、pH調整だと思います。
しかし気を取り直し、せっかく薪を燃やしての染め作業のついでに、
まずは糸の精錬が始まりました。
洗濯ソーダを溶かしたお湯で数分煮ます。
その後、化学染料での染めが始まりました。
この粉末染料を沸いたお湯に溶かし、精錬した糸を入れます。
あっと言う間にこんなすごい色に。
天然染料は手間もかかるし思う色に染まらないけど、
天然染料は手間もかかるし思う色に染まらないけど、
合成だとこんなに早くてきれいに確実に染まる、
でも、化学染料は臭いが嫌だね、と言われます。
化学染料で染めた絣糸は
こんな感じになっていました。
さて、どのように織り上がるのでしょう。
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この調査は生き物文化誌学会さくら基金の助成で行われました。
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