2014年1月10日金曜日

馬毛の利用

各地で珍しい素材を見つけるとついつい買ってしまうのですが、
使わないまましまってあるものがたくさんあります。

いきなりこんなものが箪笥に入っていたら驚きますね。
これは馬のたてがみです。
質感は人間の髪の毛に近いです。
これは黒毛ですが、白や茶色の毛もありました。

こちらは馬の尻尾の毛。
どちらも中国の品です。
尻尾の毛は、洋服ブラシや漆の乾漆刷毛にも使われていますが、
たてがみに比べると固くコシがあります。

どちらも売っていたのは、岡山の小さい町の塗料店です。
この地には「備中神楽」というものがあり、
神楽用のお面を作る材料として販売されているのだそうです。

確かに、能面や伎楽面にもヒゲや頭髪があるものがありますね。
これはロンドン、V&A博物館の東芝ギャラリーにある舞楽面です。

たてがみと尻尾の毛の質感の違いを頭髪、眉毛、あごひげ、口ひげの質の違いに
活かしているわけですね。

そしてもう一つ。
ある方から頂いた、馬毛の織物です。
数種類の馬の毛をうまく組み合わせて織ってあります。

これをくださったTさんによれば、
日本で1件だけあった愛知県豊田市の工場で織られたという貴重品だそうです。
残念ながらもうその工房はかなり昔に閉鎖されてしまっていて
作っているところはもうどこにもないという話です。

調べてみると、馬毛で作った織物は「馬素織(ばすおり)」という名前で、
着物の芯地などに使われていたとのことです。
これは糸の色を変えた凝った作りですから、芯地ではなさそうですが、
固い毛を使った織物の技術ももうなくなってしまったというのは残念です。

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