2013年10月7日月曜日

槍鉋と台鉋

数日前に神戸の竹中大工道具館の移転が決定したという情報が入り
9月22日に行ってきたばかりですので、驚きました。


道具館のシンボルの柱です。

竹中大工道具館は1984年に神戸の元町駅から徒歩10分ほどの場所に開館しました。
 現在の展示も、リニューアルされてからまだそれほど経っていないと思っていましたが、
調べてみたらリニューアルは2009年3月20日で、
まだ5年も経っていませんでした。
標準的大工の持つ道具一覧

大工道具の歴史の展示

奥が広葉樹、中が針葉樹のいろいろ。
手前の削り屑は蓋をあけると、木の香りを嗅ぐことができます。

鋸の目立て道具一式


砥石のいろいろ


現時点の展示も、道具好きにはわくわくするような品が並んでおり、
さらに地下では様々な貴重な動画も見ることができ、
まる一日過ごすことも可能でしょう。
しかし、確かに現在の場所は敷地もかなり狭く、
せっかくの貴重な収蔵品の展示も限られており、
特別展をするのもスペース的に難しいという理由も
大きいだろうなと思います。

新しい道具館には木工工房やミュージアムショップなど、
新しい施設も増えるようで楽しみです。

さて、現在の竹中大工道具館の地下には、
小さい作業工房があります。
ここでは、土曜の決まった日のみ、鉋削りの実体験ができます。

教えて下さるのは、鵤工舎(いかるがこうしゃ)で働いていた北村智則さんです。
法隆寺宮大工、故・西岡常一さんの最後のお弟子さんである
小川三夫さんの最初の内弟子さんだった方です。
数々の寺社建築を手がけられた北村さんから直接鉋の使い方を教えてもらえる、
というだけでもすごいことだと思います。
普通の台鉋だけでなく、外国の鉋や、槍鉋の使い方も教えて頂けます。
まずは台鉋での北村さんの試し削りです。
さすが、極薄の削り屑です!

これは中国の鉋です。
構造は取っ手以外はほとんど日本の鉋と同じですが、
押して削ります。

欧米の鉋はネジ式で、下が金属になっている場合が多いです。
これももちろん押して削ります。
世界中でも日本の鉋だけが引いて削るのです。
鋸も、ジュエラーズ・ソー(彫金職人の使う鋸)のような特殊なものを除いた
一般のものは日本だけが引いて切るという伝統になっているのは
一体いつからなのか、大変興味深いです。

 鉋の中でも特に、槍鉋は、西岡常一さん達のおかげで現在復元はされていますが、
めったにある道具ではありませんので、貴重な機会だと思います。

これが槍鉋の刃先です。
上に反っているため、刃を研ぐのもかなりの技術が必要です。
柄は、北村さんによれば、腕の長さくらいが最も適しているとのことです。

槍鉋は針葉樹の割製材をしていた頃に用いられていました。
しかし、目の通ったヒノキなどが少なくなり、鋸製材が主流となってからは、
衰退してしまった道具です。
台鉋は、木目が断ち切られてしまった鋸製材の表面も
均一に平らにすることができるので
現在では鉋と言えば台鉋になってしまいました。

北村さんの槍鉋の実演動画です。

 通常の引き削り

押して削ることもできます。
(ともに動画に音声はありません)

鋸屑がくるくるとカールするのが特徴です。
鉋屑の形状が全く違うというのも面白いですね。

現在の施設が閉館前に行かれるなら、是非鉋体験のある日をお勧め致します。

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