2016年2月21日日曜日

インド調査2016(2) Ajrakh染色工房

残念なことに、頼んでいたガイドさんもご家族のご病気で都合がつかなくなり、
3日間で行くべき場所をリストアップしてもらってから
3人目のガイドさんを紹介されました。
翌朝はBhujの中心地より東にある村々の訪問です。

町中、やたら建物が歯抜けだなと思っていたら、
実は2001年1月にここから20キロの地点を震源とする大地震があり、
2万人以上が死亡、37万戸以上が全壊、
それからまだ町が戻っていないのだそうです。
とにかくラックのことだけ考えて来ていたので何も知らず、恥ずかしい限りでした。

そんなこんなで最初の場所はAjrakhpur村の
Dr Ismail and Sufiyan Khatriさんの染色工房です。


Dr IsmailはイギリスのDe Montfort大学の名誉博士号も持っておられる方ですが、
生憎数週間前に癌の手術をされたばかりで体力がないとのことで、
息子のSufiyanさんが説明にあたってくださいました。

まずは、ラックで染めた布を一枚見せて下さいます。

そして、隣のショールームにある布の山から

別のラック染めの布を取り出して見せてくれます。
ラックで絞り染めした上に藍を木版摺りしています。
やばい、もう欲しい(笑)

さて、外では何人かが作業をしています。

プリント布地を畳む作業のすぐ側では、

なんと、藍染め作業中!
こんな近くでやって藍の水がはねないんでしょうか・・・
でも、藍のあの独特の臭いがしません。
これは大量販売用の製品なのでインディゴピュア(合成藍)を使っているけど、
高級品は天然藍で染めているそうで、
別の場所の藍甕を見せてくれました。


混ぜるとこんな感じ。

近くにはちゃんとインド藍も生えています。
別の場所にある農園で大量に栽培しているとのこと。

ところで、今日は藍じゃなくラックの調査だよね〜
今日、時間はあるよね〜
別の場所でラックを使って染めをしよう、という話になり、
さっそく準備に入るSufiyanさん。

ラックと、

へ、これは何?

Sufiyanさんによれば、これはアーメダバードで買った「ラックの粉」で、
ラックが足りない時はこれを使うんだとのこと。
こんなもの今まで見たことがないので、
天然樹脂研究所のラマニ博士に見せて聞くために
サンプルをいくつか頂き、次の場所に移動です。

藍染め作業はまだ継続中。
この布は横の広場で天日干しされていました。


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この調査は科研費の助成により行われました。

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