2016年6月17日金曜日

東ブータンの織り1:Radi

今回泊まったゲストハウスの奥さんのPさんは
染めだけでなく織りもされます。

ブータンで多く見かけるのは腰機です。
腰にあてたベルトで縦糸を引っ張りながら織るので、
かなりの力が必要になります。

そのために、両足をフレームの下の横棒に当てて
足と腰で糸の張りを調整しながら織るわけです。
織る布の長さを壁側の柱の穴で調整した後、
柱をつなぐ横棒にさらに角材を当てて、
それぞれの織り子さんの身長にあわせて足の位置も調整できます。

打ち棒は堅木で作られています。


ラック色も含めた縦糸を規則通りに掬い、細かい模様を織ってます。
(なぜか織られた部分の写真を撮っていませんでした・・・)





横糸は切れないように、水で湿らせながら織ります。
手にしている黄色い棒の中に横糸を入れています。

中はこんな感じ。

で、これは何かというと、水道などに使う塩ビパイプの先を
熱で溶かして塞いで尖らせたものだそうです。
このあたりの方はみなさんこの道具を使っているそうです。
最初に考えたのは誰なんでしょうね?


そして、このブラシみたいな道具で頻繁に縦糸も濡らしています。
すっかり色が染まってなんだかわかりませんでしたが、
なんとこれ、トウモロコシの芯の先端だそうです!
なんと素晴らしいアイディア!

そして、他国でも見たことがある、
自転車?の車輪を使った糸車。

その他の道具、
糸目を揃える櫛

糸の滑りをよくするロウ。ミツロウらしいです。

さて、この切り落とされた端糸はどうなるかというと、

結んでつないで、

ある程度の長さになったら、

二本をあわせて紡いで、

色の混じった糸にして、

これを使ってスカーフなどを作るそうです。
民族模様でない分、普通の洋服にも合うし、なかなかいいアイディアだと思いました。

別のお宅でもこの糸を使って織られた布を見ました。
いろいろ工夫されています。

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この調査はサントリー文化財団の助成で行われました。

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