2015年4月4日土曜日

地元の新素材

来月、地元で開催されるイベントの打ち合わせで、
地元の革工房さんを訪ねていたところに、お客さんがひとりいらっしゃいました。
隣町で、自分で仕留めた鹿の毛皮を使って座布団を作りたいので、
道具が欲しいとのこと。
毛皮はネットで調べて自分で処理をして作られ、
以前お仲間は自分で捕った鹿の皮を使って財布を作られたのだとか。

うちの地元ではここ数年鹿の食害が顕著で、
去年までは個人で自分の畑にネットを張って防いでいましたが、らちが開かず、
ついに自治会で山の方にネットを張り、ようやく被害がなくなりましたが、
山にはかなりの鹿がいるため、地元猟友会の会員が駆除をしているそうです。

駆除した鹿は、役場に尻尾を持って行くと駆除代金が支払われるのだそうですが、
鹿本体はどう使おうと自由なのだそうです。
しかし、冷凍保存できる肉を取るだけでも大変で、
皮や骨はみんな山に捨てちゃうのだとのお話に、
「なんて勿体ない!」

しかし、普通の家で獣の皮の処理をするには、匂いや脂や血やいろいろで
場所と道具がなければなかなか難しいです。

小さめの鹿の毛皮をご自分で調べて処理をしたという実物を
わざわざ見せて下さいました。

革工房の方によれば、鹿の毛は中空のパイプ状になっているので、
毛皮として使うには毛が折れてすぐになくなってしまうので、
敷物として使うのが一番いいでしょう、とのことでした。

子供の鹿らしく、毛はなかなか柔らかかったです。

この隣町の方によれば、皮から脂肪を取り除くのは、
高圧洗浄機を使うのが一番簡単だと。
しかしその後、明礬で処理されたという皮はかなり薄くパリパリしています。
印伝などに使う鹿皮はもっと厚いので、違う種類の鹿じゃないかという話です。
ちなみに、革工芸の店で扱う鹿皮はヘラジカのような海外の巨大な鹿の皮だとか。

この方、雄の角でキーホルダーや飾りも作られていました。
雄は雌5頭に対して1頭の割合でしかいないので、
角はそんなにたくさんは入手できないけれど、
金槌の柄にしたり、お仲間それぞれがいろいろなものを作られているそうです。

鹿の角が頭蓋骨にくっついている部分です。
こんなふうになっているとは、初めて間近で見ました。

勢いで、鹿の角を切ったものを頂いてしまいました。
微妙なカーブが手に不思議に馴染みます。

鹿の角を焼いた粉は漆の仕上げ磨きに使うという話もするのを忘れるほどでした。

冬の駆除シーズンは既に終わったけれど、
またこの冬以降に捕れたらいろいろ利用できそうだね〜
と、思わぬ話題で盛り上がりました。

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