3月になってもなかなか暖かくならないですね。
冬の間は、畑の植物の寒さ避けのために枯れ草や稲わらをかけておくのですが、
今年は父が麦わらをもらってきていました。
自分が小学生の時には、比較的温暖な地区で同じ田んぼで1年で稲と麦の両方を育てる
「二毛作」について勉強しましたが、
最近では休耕田で麦だけを育てていらっしゃる方がおられるようで、
時期によっては麦わらが手に入るようです。
麦わらと稲わら、同じ藁でも良く見ると全く違います。
こちらが小麦の麦わら
茎が中空でしっかりしています。
こちらが、少々古いですが前年の稲わらです。
麦に比べると特に茎の形状と堅さが違います。
ジュースなどを飲むストローは、元々は「麦わら」という意味です。
麦わら帽子はstraw hatと言います。
稲わらは残念ながらストローにはなりませんが、
縄、筵(むしろ)、草鞋(わらじ)、菰(こも)、蓑(みの)など、
日本人の生活に密着した品物が作られてきました。
特に縄や草鞋を作る場合は、砧で叩いて藁に柔軟性を出してから編みます。
暖かい日には祖父がお祭り用の草鞋を作っていたのを思い出します。
特に縄や草鞋を作る場合は、砧で叩いて藁に柔軟性を出してから編みます。
暖かい日には祖父がお祭り用の草鞋を作っていたのを思い出します。
欧米で麦わらはベッドやクッションの詰め物はもちろん、
コーン・ドリーや、中北欧のクリスマスの飾りなども有名です。
また、イギリスには、色を染めた藁を切って箱などの表面に貼り付けた
Tunbridge Ware(タンブリッジ・ウェア)という製品もあります。
作っている場所はイギリス南部のRoyal Tonbridge Wellsなのに、
製品はTunbridgeと綴るのが少々ややこしいです。
http://www.marquetrysociety.ca/Techniques.html
イギリスの友人は、日本の箱根細工のようだと言っていますが、
作っている場所はイギリス南部のRoyal Tonbridge Wellsなのに、
製品はTunbridgeと綴るのが少々ややこしいです。
http://www.marquetrysociety.ca/Techniques.html
イギリスの友人は、日本の箱根細工のようだと言っていますが、
城崎温泉の麦藁細工に似ているかと思います。
どちらも麦藁の持つ独特の艶がなかなかきれいです。
日本で麦わらと言えばまず帽子が浮かびます。
日本での麦藁帽子の生産高第一位は岡山県で、
麦わらを真田紐のように平たく編んだ
「麦稈真田(ばっかんさなだ)」というものが使われます。
今では麦藁帽子は100円ショップでも売られている時代です。
100円ショップで買った麦藁帽子の表面ですが、
これはこれで普段使いに全く問題ありませんが、
さすがに国産の高級品は緻密な作りだなと改めて感じさせられます。
福岡正信さんの無肥料無農薬の自然農法でも
収穫後の田んぼに振りまく麦わらと稲わらを厳格に使い分けることが
重要なポイントのようです。
藁に含まれる成分だけでなく、
藁の形状や性質も関係しているのは間違いないだろうなと、
この冬、何度かの積雪と霜を経た後も
朝日にぴかぴか光ってしっかり畑に残っている麦わらを見て思いました。
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