2017年9月12日火曜日

くらしの植物苑

成田空港の手前、
千葉県佐倉市の佐倉城址公園には国立歴史民俗博物館があります。
博物館の正面玄関から左手方向にある姥が池まで坂を下り、
くらしの植物苑」という小さな植物園があります。

お城のあった頃から生えている大木もそのまま利用されています。

ここは博物館とは別料金100円ですが、
JAFの会員証で入場料は無料になります。(※時期など要確認)


残念ながらこの日到着したのは夕方で花はほとんど見られませんでしたが、
1990年代後半より始まった朝顔展の時期はたくさんの方が来場するそうです。

ここにはたくさんの有用植物が植えられています。
こういった植物園で実際の木や植物を見ておけば、
野山を散策した時、有用植物をみつけるのに役立ちます。
たとえばこの巨木は、

胃腸薬になるキハダ (Phellodendron amurense).
ミカン科。染め物にも使います。


これはハゼノキ(Toxicodendron succedaneum)。
熟した実を蒸して鑞を絞ります。

トロロアオイ(Abelmoschus manihot)
根は和紙を漉く時のネリに使われます。

白ワタ(Gossypium arboreum)。
うちの綿の木はまだつぼみもついていないのですが、さすが千葉。

ジュート(黄麻)の原料、ツナソ(Corchorus capsularis)

亜麻(Linum usitatissimum)
リネンの材料。さすがにここでは育ちはいまひとつですね。

タデアイ(Persicaria tinctoria)。育ちがいいです。


大帽子花(Commelina communis var. hortensis)
馴染みのない名前ですが、別名は青花。ツユクサの栽培変種で
新鮮な青い花から友禅の下書きに使う青花紙の青い色素を絞りとります。
残念ながらシーズン終わりの夕方だったので花もしぼんでいます。

まだ若いですが、ウルシノキ(Toxicodendron vernicifluum)もあります。
かぶれに注意!

縄文時代式の漆掻きを実験した傷跡のようです。

そして大量の蝉の抜け殻が葉っぱの裏に。
やはり蝉はウルシノキが好きな様子。


ムクノキ(Aphananthe aspera)
葉は天然のサンドペーパーとして木地師に使われてきました。

ヤシャブシ(Alnus firma)。実を染色に使います。

カマツカ(Pourthiaea villosa)
鎌などの柄にした、粘りがあり折れにくい木です。

コリヤナギ(Salix koriyanagi)。柳行李や弁当箱が作られます。


サワフタギ(Symplocos sawafutagi。別名ルリミノウシコロシ、ニシゴリ。
ハイノキ科の木で、灰をムラサキの染色に使います。

ミツマタ(Edgeworthia chrysantha
日本の紙幣はミツマタ紙でできています。

看板は出ていませんが、コウゾ
Broussonetia kazinoki x Broussonetia papyrifera

ひょうたんやヘチマもあります。

歴博は常設展示場も広く、全部を見るにも時間がかかってしまいますので、
博物館より先にこちらを見てから、
ここか城址公園内でお弁当を食べるというのも気持ちよいと思います。

歴博までは東京駅からの直行バスを含め(一日一往復)
京成佐倉駅JR佐倉駅から正面玄関までのバスが発着しています。

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