2017年1月8日日曜日

竹がない場所で

あっという間に新年も1週間以上過ぎました。
酉年にあわせた年賀状を作るにあたり
古いハードディスク内の写真を整理しながら鳥の写真を探していました。

今から9年と数日前、珍しくカイロに数日雨が続いた日
水はけが全くない道路が水没し、迂回した時に通りかかった市場の写真に
鳥がいました。
この時は車で移動中でよくみていませんでしたが、カモのようですね。
エジプトでは鶏のほか、鳩も食べます。
ちなみに、カゴの上のカモはどうして飛んで逃げないのか、
今思うと不思議です。

ところで、鳥から離れますが、
鳥のカゴだけでなく、野菜を売っている場所でも
構造は少々異なりますが、同じ素材でできたカゴが使われています。

作りはかなり雑に見えますが、重い野菜やゴミも入れているようですから
それなりの強度はあるようです。
そして、そのつくりと、雑に扱われている様子から、
値段もそれほど高くないと推測できます。

アジア人の我々は、こういったカゴを作る素材は竹と相場が決まっていますが、
よく考えてみれば、エジプトには竹なんか生えてませんよね。
わざわざ竹を輸入しているわけでもないだろうし、
普通の木には見えません。
じゃあ一体これは何でできているのでしょう?

雨もあがり、水も引いてから気をつけて道路脇を探しました。

道端でパンを売る時の台にされていました。
この上は高架の道路で、排気ガスやホコリは大丈夫なのかと心配になりますが、
使っているものをいただくわけにもいきませんし、
下手に止まって見ているとパンを買えと言われてしまうので、
なるだけきれいで捨てられたものを探していたところ、

ある夜、道を歩いていたらゴミとして捨てられているものを発見。

軽く、南国の竹の表面を削った内側とさほど変わらない感じです。
この中から数本を抜いて持ち帰り、
竹篦の代用として使えないか削ってみました。
しかし、柔らかそうに見えながら意外に削りづらく、
竹のように素直に目に沿って割るにもコツが必要でした。
これが道具になれば便利だと思ったのですが、
ここまで加工されたものだと限界があり断念。

せっかくなので日本にも少し持ち帰りましたが
梅雨に入ったら白緑色のカビが全体をびっしり覆ってしまいびっくり。
やむなく捨ててしまいました。
乾燥した地域だからこその素材だったのだなと
改めて思ったわけです。

さて、ここまで引っ張ったこの素材は何だったのかといえば、
ヤシの幹でした。
それを聞いた時はなるほど!と深く納得しました。
日本の気候であっという間に全体がカビたのも、
乾燥した気候で少しでも本体に水分を貯める構造になっているのですね。

今年になってから
ヤシ材を圧縮して木材として使う方法が考案されたというニュースを見ました。


空気中の水分を自然に吸い込んでしまうような構造ですから、
樹脂溶液を吸い込ませることも難しくないでしょう。
竹や針葉樹が圧倒的に少ない乾燥した環境で、
地元にある素材を使っての新しい工芸作品や道具が生まれるかもしれません。

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