2016年8月19日金曜日

Dhokraの鋳造品(2)鋳造

さて、鋳造の土場です。
レンガを積んで作られた簡単な炉です。
金属を溶かすため、鞴(ふいご)を使って火力を強めていますが、
ご覧のようにスカスカです。
中に坩堝(るつぼ)を入れます。


これが坩堝。

そしてもう一つ、横に細長い窯が作られ、
先ほどの粘土型が並べられていました。
型の粘土を硬くすると同時に、中の蝋を溶かし出すため、
口を下に向けて並べられています。
こちらは金属を溶かすほどの高温は必要ないので、
鞴は使われません。

窯に入りきらなかった別の器物の型はこんな感じ。
残念ながら中がどんな形が入っているかはこれではわかりません。

炉の中の金属が溶け、
窯の型が十分熱されれば作業開始です。

型を倒して、中の蝋が残っていたら流し出します。

窯から取り出した段階で型に穴や亀裂が見つかったら、
革手袋をはめた手で、粘土をかぶせて修理します。

型に使っていた粘土と同じものです。

溶けた金属を流し入れます。
金属を流し入れた型は倒れないように並べます。
入れたばかりの金属は白黄緑色ぽく、
温度が下がると徐々に赤っぽくなっていきます。
このまま自然に冷ましていきます。

さて、この日はあまり時間がないので、
特別にすぐに型から出すところも見せてくださいました。
水をかけて急速に冷やします。

水をかけ、焼けた型をハンマーで割ると、中からマスクが現れました。

出てきた製品はまだかなり熱く、当然
我々にはとても触れる状態ではありませんが、
職人さんは慣れたものですね。
これが研磨されて製品となると金色に輝くわけです。

Dhokra artの製品はそれなりの厚みもありますので、
巨大なものは相当な重みになります。

例えば、こんな建築装飾にも使えそうなものもあります。(これは鋳造前の蝋型です)


厚みはこれだけでも、これが金属に入れ替わったら相当なものです。

カッコいいと思って買って持ち帰るにも
飛行機の重量制限を考えるとなかなか手が出ません。
皆さん、休日出勤で最初から工程を見せてくださったのに、
この日は何も買えず申し訳ない限りでした。
(Ranchiにあるショップでは小さいものも売っていました)



なお、この工芸村には
家具、レザークラフト、タサール絹織物などの工房もあり、
営業日には見学可能のようですが、
ウエブサイトには情報がほとんどありません。

Jharcraft Hazaribagh
Urban Haat, Near Home Guard Training Center, Hazaribagh


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この調査は科研費の助成により行われました。

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