2015年7月3日金曜日

原種と栽培種

ブータン調査から帰国してから、なんだかんだでゆっくり庭に出られていません。

なかなか発芽しなかった藍もやっと育ってきました。
(左横は漆の木です)


既に虫がちょっとついているくらい蒸れているので、
間引いて、育った上の葉をとりあえず収穫、冷凍保存しました。
これは、種蒔き前に土に石灰と発酵牛糞を入れて土作りをした場所に蒔いたものです。
同じ時に蒔いた種も、環境が違うと
こんな弱々しいままです。
これは、何年も放置されている植木鉢の空いた部分に蒔いたものですが、
藍は雑草と違って、養分がなければ育たないということがよくわかります。

そして、残念ながら今年は綿の種は全滅でした。
手をかけないとダメなものはダメですね。

漆の木の方は、花が終わった後、葉がぐんぐん茂ってきています。

しかし、うちの場合は父親が横に伸びる枝を切ってしまうので、
残念ながら今のところ幹はあまり太くなっていません。

ちなみに、植物学的にはこの全体が一枚の葉で、
手で持っている部分は一枚の葉が複数に分かれたもので「小葉」と言います。
こんなに大きくても「小葉」です。
厚みもあり、ごわごわしていますが、ハゼの葉のような表面の艶はありません。

これは西ブータンのある地域の漆の木の葉です。
日本の漆と同じ種かどうかは専門家の意見を待たねばなりませんが、
葉は薄く平らで、小葉も小さいです。
生育環境は異なるとしても、
漆の採取量と質は葉の光合成の量に比例しますから、
日本の漆の木は、長い年月の間に人間が選抜種を交配し続けたものなのだろうなと、
今回、ブータンの山の中で、小葉の小さい漆の木をたくさん見て改めて思いました。
藍に関してもきっと同じで、
地域にごとにより多くの藍色が染まる種が残っているんでしょうね。

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