Trefriw Woolen Mills
Walesは人の数より羊の数の方が多いと言われる地域です。
昨年10月に北WalesのConwyから南に向かう道路沿いにある
毛織物工場を、地元に住む友人の案内で見学しました。
かつてこの地域には類似の工場があったものの、
今はここ一軒になってしまったそうです。
ここは稼働中の工場を無料で見学できるのです。
(2月〜10月まで)
解説パネルは、英語とウェールズ語のバイリンガルで作られています。
ここでの加工工程は
原毛→ブレンド
→カーディング(毛を梳いて繊維の方向を揃える)
→撚糸(糸を縒る)
→合糸(2本以上の糸をあわせる)
→枷とり→洗浄→染色→整経→織り
となっています。
ショップから喫茶室を通り、まずはタービン室へ。
近くを流れるCrafnant川の水力で発電し、機械を動かしています。
この地域の水力を使った工業の解説もあります。
さて、ここから階段を登り、2階に上がります。
まずはカーディング。
カーディングの機械です。
カーディング前の羊毛です。
羊の原毛からラノリンという油分を除去した毛が使われています。
カーディングに使われる数種の櫛。
それぞれがローラーになっているため、数台に分かれています。
それぞれがローラーになっているため、数台に分かれています。
カーディングの様子。
複数色の羊毛を混ぜて中間色を作る方法です。
毛を先染するだけでなく、
余った毛を再利用するので、全く無駄が出ないとのこと。
数色が混ざった途中の状態。
カーディングされた羊毛は最初は1枚のシートになっていますが、
最後は細いテープ状になります。
この後撚りをかけると、同じ太さの糸ができるというわけです。
この時点での太さはこの程度。撚ってないのですぐに切れます。
糸の色を変える場合、カード機にあるすべての櫛ローラーと機械を
人力で徹底的にきれいにしなければならず、
掃除だけで1週間くらいかかるとのこと。
下の階でテープ状にしたロールを機械にかけ、一気に撚ります。
次は、撚った糸を2本以上より合わせて丈夫な糸にする工程です。
触れる見本、解説カードの位置が入れ替わっちゃってましたが、
真ん中が紡ぐ前、手前と右の糸が紡いだ単糸、
見えづらいですが奥の青いのが、単糸2本を合わせた双糸です。
これを染めるために一旦枷にとります。
染色は裏の建物内で行われます。
まずは洗ってから
タンクで加熱して染めます。
残念ながらこの日は稼働していませんでした。
現在は化学染料で染められていますが、
かつては地元の染め材や輸入の天然染料を使っていたそうです。
染色を終えた糸は再度、糸巻に巻き取られます。
次は整経
複数の糸を一気に巻き取ります。
手前はここの織見本。
奥は飛び杼。この糸も別に巻かれます。
そして、織機で織られます。
織機は一階奥に置かれています。
ここで織られた布
織った後には起毛加工もしています。
(左:起毛前、右:起毛後)
(左:起毛前、右:起毛後)
カフェも資料館のようです。
これが見学無料というのは素晴らしいです。
ショップでは製品の切り売りもあります。
9月までなら、染織素材の植物が植えられた庭も見られるようです。
ConwyからBetwy-e-Coed方面行きのバスに乗り、
Trefriwというバス停で降りると目の前なので
とてもわかりやすいです。
これが無料公開というのは素晴らしいと思います。
Wales南部には国立羊毛博物館というのもあります。
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おまけ。上階にあった解説パネル。
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この調査は科研費の助成で行われました。