2014年7月10日木曜日

素材選びの大切さ

大型台風の日本上陸で、
空梅雨が続いていた我が家の地域でもやっとまとまった雨が降り、
ありがたい反面、一気に家の中が湿気てきました。

そんな中、去年の秋頃に100円ショップで買ってから
ほとんど使わないままで軒下に置いていた竹ざるに、
思わぬ模様ができていることに気づきました。

このザルは未使用で、水洗いすらしていませんでした。
ご覧のように、黒っぽくなっている部分がくっきり分かれています

もちろんカビですね。
全体でなく、部分部分でかびているところから、
ここからここまでが別の竹なんだなとわかるのが面白いです。

日本では竹で工芸品を作る場合、
3年ものくらいの、生長が止まっているものを選び、
水分量が減少している秋から冬に切り出し、
炭火などで熱して竹に含まれた油をじっくりとしみ出させてそれを拭き取り、
などなどの処置を行い、中の虫を殺し、腐りにくくかびにくく
さらに表面を美しく保つようにします。
囲炉裏の上でいぶされた煤竹は
長い年月を経てゆっくりとその処置がされているのと同じわけですね。

南方の竹は生長が早く、節と節の間が50センチ以上になるような種類もあります。
100円ショップの竹ざるは中国製ですが、
税抜き100円でざるを売るためには、かなりの手間が省かれているはずです。
これも、まだ若い竹を十分乾燥させないまま加工して使ったのだろうなと想像します。
そう言えば、昔、中国で買ったという竹に彫刻を施した
筆立ての修理を頼まれたことがありますが、
直径10センチ以上の太い竹が干割れして、
1センチくらいの隙間が開いていました

せっかくの技術があっても、素材が良くなければ良い品はできないという、
素材選びと加工の重要さを改めて実感しました。

100円ショップはたいへん便利ですが、
そのおかげもあり、うちの町では
100円以上の品物を売っていた店がどんどん消えてしまいました。
100円だから、壊れたり汚れたりしたら使い捨てて新しいものを買う、
というのも現代の生活スタイルに定着してしまったのでしょう。




家にある古い竹ざるは、
長年、梅干しやら干したりして塩や紫蘇の色素が染みこんでいるせいか、
同じ場所に置いてあってもかびたりしていませんでした。

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