2016年3月19日土曜日

インド調査(9) 泥の家と刺繍布

tインド・グジャラート州のカッチ地区のパキスタンとの国境地帯は
一部だけが地図上で湖になっています。
しかし、この湖の一帯は雨季と乾季では水量が全く異なっていて
雨季には湖、乾季には塩の平原ができるのだそうです。
ここ数年、天然のアルカリがどこかにないかと探していることもあり、
1月末の時点で干上がりつつある湖に連れて行ってもらうことにしました。

ラック塗装とRogan ArtのNirona村からさらに北に走ると、
もう蓖麻の畑もなくなります。
北回帰線がここを通っているという標識です。

何もいなそうに見える平原にも、動物がいます。


牛や

羊も。ちゃんと人がいます。
この先にもまだ村がいくつかありますが、
国境にさらに近づく、ここから少し先のチェックポイントで料金を支払い、
通過証明を出してもらいます。

そして、チェックポイントの少し手前のBhirandiaraというところに
土作りの家の村があります。


右手にいるのが村長さん。
家の中も見せてもらえます。
彼らの服と同様に、鏡の破片が壁に埋め込まれています。

家は、日干しレンガを積んだ簡単な構造のようです。

ゆりかごまでこんなに綺麗に作られています。
ここにもミラーワークが。

ビーズ細工をしている女性もいました。

つまり、ここも観光名所になっていて、
自分たちがつけるものでなく、お土産物を作っているわけです。

ということで、村の入り口すぐ左手一件は完全にお土産物屋さんになっていました。
先ほど横でお昼を食べていた若い男性が「自由に見て行って」というので、
この家には人は住んでいないの?ときいたところ、
夜はお爺ちゃんが寝ているという返事。
お爺ちゃんとは先ほどの村長さんです。

お土産物に隠れて、こんな家具もありました。
おばあちゃんの代から使っているものだそうです。


木の上に泥を盛った上に白土を塗っているようです。

運転手のDさんが「買わなくてもいいからラック染めの古い布を見せてもらうといいよ」
というので、横に積まれている古い布を見せてもらいました。

最初はこういった新しそうなものを出してきましたが、
「ラック染めらしいもの」と指定したら、赤系を出してくれました。


ラックで染められていそうな部分も確かにありますが、
それにも増して、手の込んだ細工に圧倒されます。



もちろん全て手作りで、裏地も古い布を利用しています。




とにかく、細部を見始めると面白くて、
時間がいくらあっても足りません。
後ろ髪を引かれながら村を後にすることに。

 Dさんは大通りの店まで行きたいというこの古布屋の男性を車に乗せてあげました。

商店街には全身紫をまとった人が。
ラック染めだろうかと興味津々。


========================
この調査は科研費の助成により行われました。

0 件のコメント:

コメントを投稿