Nirona村のバス停から少し先の壁にこんな文字が。
その文字の正面にある路地を入るとすぐにRogan Artの看板がありました。
でもガイドのDさん、ここじゃない、とさらに路地を進みます。
数件先の右手の木の扉の奥が元祖、Rogan Artの工房でした。
この工房のSumar D Khatriさんです。
さっそくRogan Artについてご説明くださいます。
このスライムのような塊がRogan Artの材料、
ここまでの道中でうんざりする程見たヒマの油、蓖麻子油を3−4時間煮詰め、
3日ほど置いてゼリー状にしたものだそうです。
ここに鉱物系顔料を1:1の割合で加え混ぜたものを使うのですが、
使う色は白、赤、黄、緑、黒、青のみだとのこと。
この絵具を純水の中に入れて保存し、
この鉄の棒1本だけを使って模様を描くそうです。
説明も慣れた様子で、さっそく実演してくれました。
まずは、少量のRoganを取ります。
それを掌の端で均質になるまで練ります。
そして、鉄の棒を使って線描きしていきます。
線描きが終わったら、それを半分に折り、対称の模様を作っていきます。
このような方法で、彼らの代表作「生命の木」もできあがるそうです。
この描画は洗っても落ちないそうです。
この技法は3世紀以上もの間、同じ場所で同じ家族により伝えられてきたとのこと。
この生命の木シリーズは、Sumarさんのお兄さんが始めたそうで、
近年、インドを代表するお土産としてオバマ大統領にも贈られたと、
その新聞記事も誇らしげに飾ってありました。
現物も何枚か見せていただきましたが、
著作権があるから写真撮影はダメとのこと。
なので、ここでも印刷物だけです。
ところで、お兄さんが編み出したこの「生命の木」以前はどうなのか?
というと、ちゃんと古い作品も展示してありました。
いやこれ、同じ材料を使っているというだけで、全く別物ですよ。
個人的にこっちの方が圧倒的に好きですが、
さすがに古いものも高くて買えません。
しかし、古いRogan Artの品を現代風のバッグに仕立てたものがあり、
(デザインはいま一つですが)値段が意外に手頃だったので、それと、
やはり比較見本のために、生命の木を描いた小さい布を入手しました。
お金を払い、ちょっとお手洗いに行っている間に袋に入れておいてもらったのですが、
ここまで細かく神経質に繊細な作品を描いているのとは違い、
買った生命の木の布は適当に4つ折り(!)にされていた上、
後からバッグを2つ入れたらしく、袋の底でしわしわになっていました。(涙)
う〜ん、安いものじゃないんだから、最後まで気を遣って欲しかったです。
アイロンかけてもいいんだろうか?
帰りにはラクダが活躍してました。
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この調査は科研費の助成により行われました。
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この調査は科研費の助成により行われました。