ブルドーザーで踏み荒らされた中から3つだけ芽を出した藍が
予想以上に大きく育ってくれました。
気がついたら、既に一部に花が咲いていました。
日中だったので水が足りず、ぐったりしてますが、
せっかくなので生葉染めをすることにしました。
花穂がつくと藍葉の色素が減るので
ちょっと時期としては遅すぎではありますが。
種を採る分は残し、適当に刈り取ってみました。
日陰でこぼれ種から生えた藍葉です。
タデ喰う虫も好き好きと言うように
こちらは常に何かの虫がついています。
こちらもやはり花穂が出ていましたので、同様に刈り取りました。
そしてもう一箇所、駐車場の日当たりのよい空き地に数粒蒔いておいた藍です。
肥料も水も一度もあげていませんので、
左に置いた刈り取った畑の藍と比べると明らかに葉の色が薄いです。
駐車場のは染めには葉が少なすぎるので、
畑と日陰の藍の2種で生葉染めを比較してみました。
7月頃に母を連れていった病院の待合室で
NHKのあさイチがかかっていたのですが、
たまたまそこで藍の生葉染めの方法が紹介されていたのに驚きました。
特別な道具も必要なく、手軽にできるということで
実は楽しまれている方も多いのでしょうね。
左が畑、右が日陰の藍の葉、ともに50gです。
畑の葉の方が厚みがあり大きいです。
生葉染めの方法は、水中揉み出し法、塩揉み出し法などいろいろありますが、
今回は水に揉み出す方法でやってみました。
先に細かく刻んでみます。
布の袋に入れて(これは豆絞りの手ぬぐいです)
これを水の中で揉み出します。
空気に触れないように水の中で揉み続けると、
段々水が緑色になり、ヌメヌメしてきます。
その中に布を15分ほど浸して、
その後取り出して広げて酸化させ布に色素を定着します。
色を濃くするには、これを繰り返します。
生葉は、一般的なすくもからの藍建てによる方法と違い、
絹や羊毛のようなタンパク質の繊維にのみ染まります。
染め用の絹ストールなどはそれなりのお値段になるので、
自分は、古着物市などで白絹地や見本地を探して買っておいて
染めの実験に使っています。
なので、端にこのように紫色のラインが入っているものもあり、
比較実験の際の目印に便利なのです。
今回の実験では、紫ラインの方を畑の葉で染めてみました。
写真ではわかりづらいですが、畑の藍の方が青みが強く染まりました。
葉の揉み時間と強さ、布の浸し時間、
酸化時間などについて条件を完全に一致させることはできませんでしたが、
やはり肥料を与えた葉の方が色素生成量が多いようです。
念のため、液をペットボトルに入れて暫くおいたところ、
液の状態に明らかな差が出ました。
左が畑の藍葉の液です。
これは、春に石徹白で開催された森本喜久男さんの天然染めワークショップで
ケヤキとキハダで染めていた臈纈絹のハンカチに、
生葉藍の染め液を刷毛で引き染めした部分です。
(既に蠟は溶かして洗った状態です)
改めて蠟で模様を描いておいたこともあり、面白い色が出ましたが、
最初のデザインが行き当たりばったりのどうしようもないものなので、
全体はお見せできません(笑)
残った汁で野蚕のストールも染めてみましたが、
時間が経ちすぎてしまったせいか、あまり濃く染まりませんでした。
次に葉を刈り取る時にもう一度染めてみようと思います。
残った葉は乾燥させ、干し葉藍としました。