漆漉し紙(うるしこしがみ)というのをご存じでしょうか?
漆を塗る前に漆からゴミを漉して除去するために使う、とても薄い紙です。
別名「吉野紙」とも呼ばれる、
奈良県吉野町の昆布尊夫さん製造の漆漉し紙が一番有名ですが、
他には山形の土屋一郎さんの「麻布紙」(あざぶがみ)と、
もう一つ、
京都の大江町の田中製紙工業所さんで作られているものがあります。
福知山から走るローカル線、北近畿タンゴ鉄道で舞鶴方面に向かうと、
左手に大きな「丹後和紙」という看板が見えてきます。
手前に下がっているのが、楮の皮です。
日光に晒すことで白くなるのです。
今では日本のほとんどの和紙製造業者さんは、日本では那須か高知、
さらにはタイなど海外から楮を購入しますが、
こちらでは自家栽培の楮を使っているというのが特色です。
この地域では明治の終わり頃だけで180戸が和紙製造を行っていたそうですが、
現在はここ1件のみになってしまいました。
現在はここ1件のみになってしまいました。
現在、4代目の敏弘さん、5代目の正晃さんご夫妻が製造に従事されておられます。
まずは、お店になっているショールームから。
ここで見て触って好きな和紙を選べます。
もちろん、漆漉し紙だけでは商売として成り立たないので、
いろいろ工夫を凝らした多くの種類の紙を作られておられます。
これらはブラインド用に楮の皮などをわざと混ぜた紙です。
見せて下さっているのが4代目です。
現場でうっかり写真を撮り損ねましたが、こちらの漆漉し紙は、
吉野紙や麻布紙の約3倍の面積のある広いもので、
小さく切っても折りたたんでも使うことができます。
吉野紙や麻布紙の約3倍の面積のある広いもので、
小さく切っても折りたたんでも使うことができます。
(ちゃんと買いましたので、写真は後日アップします)
手漉きの漆濾紙は、1970年代に発明されたレーヨン紙(新吉野)に
瞬く間に駆逐されてしまいました。
レーヨン紙なら現在一枚10数円ですが、手漉きの漆漉し紙は、
昆布さんのところのもので現在1枚が300円くらい、
田中さんの漉し紙は面積が約4倍で800円以上です。
我々のような人間にはなかなか恐れ多くて使えるものではないのですが、
かと言って、誰も買わなければ作る人もいなくなってしまいます。
薄い紙を漉くという熟練の技術を残して頂くためにも、
ひとりひとりが少量でも買って支えることが必要だと考えます。
手漉きの漆濾紙は、1970年代に発明されたレーヨン紙(新吉野)に
瞬く間に駆逐されてしまいました。
レーヨン紙なら現在一枚10数円ですが、手漉きの漆漉し紙は、
昆布さんのところのもので現在1枚が300円くらい、
田中さんの漉し紙は面積が約4倍で800円以上です。
我々のような人間にはなかなか恐れ多くて使えるものではないのですが、
かと言って、誰も買わなければ作る人もいなくなってしまいます。
薄い紙を漉くという熟練の技術を残して頂くためにも、
ひとりひとりが少量でも買って支えることが必要だと考えます。
裏にある和紙のプレス機と田中さん。
漉き舟です。
奥様がカミソリを使って一枚一枚、楮の皮取りをやっておられました。
工房に向かって左隣には、福知山市に合併する前の大江町が作った
「和紙伝承館」があり、
田中さんご家族が町から福知山市から委託されて管理しておられます。
「和紙伝承館」があり、
田中さんご家族が町から福知山市から委託されて管理しておられます。
入場料は大人1人200円です。
昔使われていた製紙道具や、古文書類が並んでいます。
古い写真も展示されています。
外には、秋に刈り取られた楮の木があります。
楮は生長が早いので、毎年根元まで切ってしまっても、
翌年新たに根元から生えてくるのです。
翌年新たに根元から生えてくるのです。
ミツマタの花も咲いていました。
大江と言えば、大江山の鬼。
鬼も入り口に立っていますね。
この先は「元伊勢」と言って、伊勢神宮が現在の地に定住する前に伊勢神宮があったといわれている神社が複数あります。
ちゃんと外宮、内宮だけでなく、天の岩戸と言われる場所もありました。
こちらのお伊勢さんの方にはお詣りさせていただきました。